暁 〜小説投稿サイト〜
始まりはこの日から……
トラブルメーカーメーカー
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心が弱り引き籠もる穴を求めてるのだろう…

「気分を変える為にカラオケに行こうよ!…私、リュー君の上手な歌を聴きたいの?」
そう言うと食事の終わった俺を外へと連れ出そうとするユキ。
家族も流石に男に手を出さないと思い、“行ってこい”的な目で見送る…

うん、ごめんね。もう手遅れなんだ…
俺の初めての相手はユキなんだよ…
中学に入る前に、ヤリを鞘に変える手術を受けており、思春期真っ直中に見た目美少女に迫られた俺は、テクニックの殆どをユキで実戦し身に着けたんだよ。


軽く身形を整え家の外へ出ると、そこには新型のレクサスが停まっていた。
「ユキ…お前、また車を替えたのか?…1年前にアウディの新車を買ったばかりだろう?」
颯爽と青のレクサス“ISコンバーチブル”に乗り込むユキを見ながら呟いた。

「え〜…だってぇ…アウディのR8スパイダーに飽きちゃったんだもん!それに左ハンドルって運転しにくいし…」
このブルジョアが!
ユキの実家はこの近辺でも有名な名家だ。

その上、ユキ自身が経営しているゲイバーが大人気で、俺とは比べ物にならない程稼いでいる。
そんな金持ちに思いを寄せられてるのも、幼少期に端を発するのだろう…


家も近く、幼稚園から一緒の俺とユキだが、流石にそんな頃から将来はヤリを取っちゃうとは思ってもいなかった。
ただユキ自身は、ずっと性同一性障害に悩んでいたらしい。
そんな言葉すら知らない俺は、気にすることなく同姓の友達として接してきた。

しかし小学校に進み、完全に己の肉体的性別と一致していない事に気付いたユキは、悩みつつも接し方の変わらない俺に恋心を募らせて行く。
父さんが母さんで実戦する、口説きテクニックを見習っている俺は、学校で女子生徒の些細な変化に気付き、褒めてポイントを稼いでいるのだが、それにジェラシーを感じたユキは、事もあろうか女装して登校してきたのだ!

俺も流石に驚いたのだが、男の姿をしているよりよっぽど可愛かったので、素直な気持ちで『可愛いね…ユキに似合ってるよ』って言いました。
あの時のユキの嬉しそうな顔を今でも覚えている…

しかし問題なのは周囲だった…
子供とは残酷な物で、その日からユキに対するイジメが横行する。
クラスのガキ大将的な馬鹿(俺は喧嘩とか嫌いなので仲良くない)が中心となり、えぐいまでのイジメが蔓延った。

馬鹿共がヤンヤ言っているだけだと思っていた俺は、それ程深刻に事態を捉えて居らず、放課後の教室の隅で、服をボロボロにされ蹲り泣くユキを見るまでは、事の重大さに気付かなかった。

俺は頭に血が上り、直ぐさまヤツを追いかけ校門付近で捕まえると、他の生徒や教師達(校長も居た)が見てる前でヤツをぶん殴る。
生まれて初めての喧嘩だったが、不意
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