トラブルメーカーメーカー
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「おい、起きろ!…いい加減に目を覚ませ、もう昼だぞ!!」
俺は乱暴に身体を揺すられ目を覚ます…
まだハッキリしない意識の中で、懸命に目を開けようとする。
「仕事が休みだからってだらけすぎだぞ……昼食くらいは一緒に食べようと、父さんと母さんが待ってるんだぞ!」
「あぁもう…うるせーなぁ…今起きるって…」
俺の名前は『蔵原竜太』…
そして俺を揺すり起こしたのは兄貴の『蔵原龍太』
「お前…彼女に振られたてで落ち込んでるからって、不貞寝にも程があるぞ…」
「余計なお世話だ!別に不貞寝じゃねーよ…寝るのが遅かったから…」
俺は昨晩、4ヶ月付き合った彼女に振られた。
んで、ガッツリと落ち込んだのだ。
「おいおい…今までに何度も振られ続けてきたじゃねーか。何で今更そんなに落ち込んでんだよ!?」
ムカツク兄貴だ…痛い所を突いてくる。
そう…俺の失恋記録は膨大だ。
告白って玉砕もあれば、付き合って捨てられる事も多い。
今までに一番辛かった振られ方は、付き合って2ヶ月目にして初めてホテルへ入ろうとした瞬間、彼女の元彼が現れて『やっぱり俺、お前の事が忘れられない!』つって、俺の代わりにホテルへ入っていった時だ。
そりゃねーだろって感じだよ…
1発くらいヤらせてくれても良くね?
その元彼が筋肉ムキムキじゃなかったら、ぜってー譲らないのに…
俺は頭を振り嫌な記憶を吹き飛ばすと、『何時までもグータラするな!』と説教を飛ばす兄貴を見上げる。
「分かったから…起きるから黙れよ!うるせーんだよギャーギャー…」
昨晩から続く不機嫌な出来事の八つ当たり的に、兄貴へ罵声を浴びせ身体を起こし、ベッドへ腰掛ける。
まだハッキリしない頭で、俺の殺風景な部屋を見渡す…
根本的に物欲が少ないので、俺の部屋には物が少ない。
何か物を買う為に金を使うより、女とエッチする為に使った方が俺好みなのだ!
兄貴とは真逆だ!
兄貴は所謂オタクだ。
壁を一枚越えた隣が兄貴の部屋だが、物が多すぎて同じ六畳の部屋とは思えない程狭い。
別に散らかってるわけではない。
整然と片づいてるのだが、それでも狭い。
俺と兄貴は本当に正反対だ。
俺は社交的で、仕事も営業をしている…所謂サラリーマンだ。
兄貴は人と会話するのが苦手…というか嫌いで、仕事も在宅プログラマーだ。
年に1.2度程会社に顔を出す程度で、あとは全く人とは会おうとしない。
相当仲良くならないと会話も碌に出来ない程人見知りが激しいのが、俺の兄貴の特徴だ。
断っておくが、俺はこんな兄貴を嫌いではない。
つーか、俺は家族が大好きだ!
(ポカッ!)
「何時までもボーっとしてるな。早く着替
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