第四十六話「天央祭・Z」
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呟く美九。美九の目はぐりんぐりんと揺れていく。
「み、美九!落ち着け!俺は…」
士道が落ち着かせようとそう声をかけるも既に遅かった。
「うっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
美九が絶叫を上げ破軍歌姫を発動する。瞬間、彼女以外の全ての人、観客、出演者、司会等関係なく士道へと向かって行く。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「さぁ、後悔しなさい!この私をだました事を…っ!」
怒号と足音に紛れて美九の怒りの声が士道の耳に入る。しかし、士道はそれにいちいち反応できなかった。何故なら中にいた人達全てに追いかけ回されているのだから。
「く…!」
そして呆気なく追い込まれ逃げ場の無くなった士道は一か八かの賭けに出る。そう、美九の元へと走り出したのである。操っている本人を止めれば或いは…、と考えたからである。
しかし、士道の行く手は突然現れた氷によって防がれた。
「氷壁…?」
「まさか…これは…!」
突然の事に彼女は眉を顰めその能力を知っていると思われる士道は目を見開く。
『んー、ふふー。あー危ないなぁ。そんなことしちゃ駄目だよー?』
「お、お姉さまは…、私が…守り、ます」
その声は士道の後ろから聞こえてくるそちらの方に視線を向ければそこには巨大なウサギの人形とそれにまたがる一人の少女の姿があった。
「…【ハーミット】か」
「四糸乃!?何で、お前…」
【ハーミット】。精霊の一人であり一番大人しい精霊とも言われている。その理由は現界の度にASTに襲われては消失するまで逃げ回っているからだ。彼女も見るのは初めてであり観察するように四糸乃を見ている。
一方の士道はまさかの登場に驚いているようだ。士道の表情を見るに既に封印済みなのだろうと言う事が彼女は推察できた。そして四糸乃が何故攻撃してきたのか?四糸乃が言っていた『お姉さま』と言う言葉。これが意味するものに士道は気づいたようで信じられないと言った顔をする。
「まさか、お前…っ!」
士道が無意識に四糸乃へと足を一歩踏み出した。瞬間、士道を物凄い突風が襲った。
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