蒼紅:第三十二話 帰還
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で機動力は紅き雷霆に匹敵する程になり、解析を繰り返して負ける要素はこれで粗方潰すことが出来たと判断し、もう負ける要素は何処にもない。
そしてあのホテルで再会した時にソウに挑んだ結果があの惨敗だった。
「…無様だな…二度も奴に敗北した上に父さんの形見やロロまで破壊されて…!」
「紅き雷霆…ソウ…今のアキュラ様では勝てないかもしれませんね…」
ノワの言葉にアキュラは拳を握って俯くが、少しして顔を上げた。
「仕方がない…ノワ、宝剣の能力者の疑似第七波動をビットによる再現を試みる…一度見られている物ばかりだが、無いよりはマシだろう…まずはロロの修理だ…用意をしておいてくれ」
「分かりました。ただしお体が完治してからですよ?ミチル様もアキュラ様のことを気にしておいででしたから」
「ミチルが…分かった…大人しくしていよう…」
ノワはアキュラに一礼すると、部屋から出ていく。
「ヴァイスティーガーの損傷も甚大か…本当に…無様だな…父さんの意志も果たせず、奴の良いように嬲られていただけだった…俺にもっと力があれば…」
ブリッツダッシュの小回りの利かなさを利用され、雷撃鱗でヴァイスティーガーの機能をクラッキングされて一度目は敗北した。
二度目に至ってはフェイクカゲロウとカゲロウの共通の弱点である攻撃以外は透かせないことを突かれて痛撃をもらい、そのまま嬲られる。
それだけでも充分過ぎるくらいに屈辱的ではあるが、一番の屈辱はソウがアキュラに何の脅威も感じていないということだ。
まるでそこらの有象無象と変わらないと言うかのように。
「俺は諦めんぞ…!必ず貴様をこの手で…!」
アキュラの決意が込められた声が部屋に響いた。
そしてホテルから帰還したソウはエデンの兵士の装備を回収し、それを身に纏って戻ってきた。
流石に血濡れの状態ではオウカの家に戻れないと判断したからだ。
「戻ったぞ…テンジアンのミラーピースの代わりに鉄屑の物を回収した。これで良いだろう」
ミラーピースをモルフォに差し出し、それはそのままモルフォに戻っていく。
『…うん、大分…力が戻ってきたわ…』
「そうか、シャオ。新しい戦闘服の補充をしてもらえないか?あの屑のせいで台無しになったからな」
「うん、いいけど……あまりああいう戦い方はしないでね?見てるこっちが痛いからさ………気持ちは分からないでもないけど」
シャオが気まずそうに言ってくる。
アキュラが並みの能力者より強く、過激な能力者蔑視の人物のために攻撃が熾烈になるソウの気持ちは分からないでもないが、あのような嬲り殺すような戦い方は見ていて気分の良いものではない。
「あんな屑にかける慈悲はない。第一俺は何度もチャンスをやった
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