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レーヴァティン
第百二十三話 讃岐からその十二

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「卑小だ」
「そんなもんやな」
「そしてそうした奴はな」
 それこそと言うのだった。
「起きた世界では関わらないしな」
「こちらの世界では」
「使わない」
 一切と言うのだった。
「家臣にしない、逆にだ」
「敵におったらやな」
「色々吹聴してだ」
「そいつを敵側で重く用いらせるな」
「そうしてだ」
「敵を弱めて」
「その敵を降してだ」
 そうしてというのだ。
「その小物は叩き出す」
「そうするんやな」
「そうした奴が俺の勢力にいるとだ」
 些細なことで誰でも裏切る様な卑しく能力も低い侮蔑すべき小悪党はというのだ。
「勢力自体が腐るからな」
「だからやな」
「そんな奴は用いない」
 最初からというのだ。
「そうする」
「腐った奴は入れんか」
「そうする、能力は適材適所でどうにでもなるが」
 その者に相応しい仕事に就ければというのだ。
「しかしだ」
「それでもやな」
「性根の卑しい小悪党なぞだ」
「どうにもならんな」
「無能は働き者は適性のある場所なら有能な働き者になる」
 ゼークトによると最悪とされている者は最高にもなり得るとだ、英雄は極めて落ち着いた声で言うのだった。
「無能な怠け者もだ」
「有能な怠け者になるな」
「しかし屑はだ」
 これはというと。
「屑でしかない」
「どうにもならんのやな」
「ヘドロはヘドロだ」
 英雄は吐き捨てる様にこうも言った。
「何にもならない」
「腐ったもんはどうにもならんか」
「ヘドロの中にはやがて何もいなくなる」
「腐り過ぎてな」
「そして腐り果ててだ」
「後には何も残らんな」
「そうなる、だからだ」
 それでというのだ。
「俺は屑は最初から用いない」
「そうするんやな」
「そしてそんな奴にもなりたくはない」 
 一切と言うのだった。
「絶対にな」
「それで、ですね」
「俺は今回はな」
「信義を守ったんやな」
「喪に服した、そしてだ」
 英雄はさらに語った。
「この度こうなった」
「信義を守るとな」
「それだけだな」
「まあ信義はわいから見てもな」
「出来るだけか」
「守った方がええ。長曾我部元親さんも」
 この土佐から身を起こした戦国大名もというのだ。
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