第六話 INグレンダン(その4)
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にそれなら仕方がないですね。ニーナの場合、その方があっているようですし」
「そういうことだ。これが私のスタイルになるから、クララにとっては物足りないだろうが」
「確かに剄技はいろいろあった方が面白くはありますがあるだけでは意味ありませんし、大切なのは数より強さです」
数がなくてつまらないと言っていた割に結局は強さに戻ってくるクララに苦笑してしまうニーナ。無論それは武芸者として何もおかしいことではない。
「ところでニーナ、汚染獣の襲来があったとはいえ取り敢えず案内するところは終わりましたがグレンダンには何時まで滞在するんですか? 勿論ずっといてくれてかまいませんが」
「戦闘衣が出来たら出発しようと思っている。どこへ行くか決めているわけではないのでその時来ている放浪バスに乗るつもりだ」
「残念です、でも出発までは戦ってもらいますよ」
引き止めはしないが自身の欲求には忠実なクララにニーナも頷く。それは自身にも意味がある、ツェルニにいたころからクララとの稽古は得るものが多くあり自身の成長につながっていると実感できていたからだ。
戦闘衣が出来上がった数日後、ニーナとクララの姿はグレンダンの放浪バス発着所にあった。
「短い間だったが世話になった。またグレンダンによることになったらよろしく頼む……って何してるクララ!」
その視線の先には明らかな旅支度を物陰から引っ張り出すクララの姿がある。
「見ればわかるでしょう。私もニーナと一緒に旅に出ようと思いましてね」
「いや、そうなんだがお前には女王代理としての役目もロンスマイア家当主としての務めもあるだろうが。次期王座に就く気があるのならそんなことできないだろう」
『そうよ、そんなこと許さないわよ』
いきなり空中からも別の声が降ってくる。蝶型の念威端子から聞こえてくるのは現女王アルシェイラの声。
「エルスマウさん陛下にチクったんですか」
『そうではありません。ニーナ様の動向を聞かれ出立することをお伝えしたところ、クラリーベル様がどうしているのかと聞かれたのでお答えしただけです』
『そうよ、わたしが聞かなかったらニーナが出発することだって知らなかったんだから。大体クララ、あんたには仕事がたくさんあるし出ていくってことは王座は欲しくないってことかしら。他の奴が座っちゃっても知らないわよ』
グレンダンの王座を狙っていると公言しているクララに対し、その座をちらつかせて挑発するアルシェイラ。だが、クララは動じなかった。
「私の他に誰が座るんです? アルモニス家は連続になるのでないですし、ユートノール家はミンスにその気がないのは陛下はよく知っているでしょう。ロンスマイア家も私以外碌なのはいませんよ。第一なんで私が女王代理をしっかりとこなしていたと思っているんですか、グレンダンの民
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