第六話 INグレンダン(その4)
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な、と思った陛下が『ハイアを天剣に』みたいな空気があったので任命したらしいです。あの時の戦いの様に大量の汚染獣が現れた時に武芸者を指揮する役割を受け持つ天剣としての地位を確立したグレンダン史上初の天剣です。もちろん天剣でない他の武芸者に負けるような強さではありませんが」
「ま、そういう訳さ。天剣の連中は老性体が来たくらいじゃ俺っちの言うことは聞かないからこんな時に俺っちの仕事はないのさ」
『それでは今回の出撃を発表します』
そんな中傍らの念威端子からの声が届く。三対の視線が集中する中、告げられた名前は、
『出撃はニーナさん。後詰はトロイアット様に決定しました』
まさかのニーナ当選に一同驚く。当たったらいいな、位に考えていたクララもだが一番驚いているのは他でもないニーナだ。
「私はこれまで老性体と戦ったことはないが大丈夫なのか?」
「ニーナの実力なら問題ないですよ。それにそこいらの老性体よりも強いのと戦ってきたくせになに言ってるんですか」
確かに『本当の』老性体との戦いの経験はニーナには無い。だがドゥリンダナやレヴァンティンの送り込んだ刺客、更にはヴェルゼンハイムといったモノ達と戦ってきたニーナの不安などクララにとっては案ずるのも馬鹿馬鹿しいといったモノだ。
「それでしたら私も出撃ますから。私も何度か老性体との戦いは経験してますし、私とのコンビなら安心でしょう」
ニーナを安心させるような言葉だが、その端々から高揚感が透けて見える。
『ちょっとクララ、あんたこれを期待してその子をぶっこんできたのね。そういうのはよくないわよ』
念威端子からアルシェイラの非難が聞こえてくるがクララはどこ吹く風だ。
「いいんですよ、だって私がイカサマしてニーナを当選させたんじゃないですから。私の運が強かったってことですよ」
鼻高々と嘯くクララに流石のアルシェイラも反論を封じられる。最初の思惑はともかく選考の過程に不正は無い。
「そんなわけで行きますよニーナ、……そういえば都市外戦装備っていります?」
「是非とも欲しい。私が持ってきた物はもう限界に近い。そろそろ新しいものを買おうと思っていたところだ」
「でもニーナって無しでも平気なんじゃないんですか?」
汚染物質の濃度が下がってきたとはいえ、まだまだ必要にもかかわらずわざわざ聞いたのはこれが理由だ。ヴェルゼンハイムとの戦いの前に着ていなかった為クララに真剣に不思議な顔をされる。
「あれは電子精霊の力を全開にしたからこそできたわけで、皆への負担が大きすぎる」
決戦だからこそできた無理を普段から強いるつもりはニーナにはない。無論そうすると決めればメルニスクらに異論はないだろうが。
「わかりました、とりあえず私の予備を貸します。でもそれなら先に言ってくれればさっさとオーダーした
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