第八話『はぐれ悪魔 純情派』
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の雰囲気に慣れないといけないのかしら……?」
「──いやはや、お盛んですね」
突如、中庭に漂った霧≠フ中から現れた、学生服の上に魔法使い風の法衣を纏った眼鏡の青年。
彼の名は──『ゲオルク=ファウスト』。
曹操とは同期で〈国際警察機構〉所属のエキスパートの一人。
通称は魔界医師≠竍ドクトル=ファウスト≠ネど。
悪魔メフィストフェレスと契約したという『ゲオルク=ファウスト博士』の子孫で同名。
彼の一昨年前に亡くなった祖父こそが黒歌を悪魔から元の種族に戻した(それが最後の大仕事)$l物で、彼自身もその技術を継承した〈医者〉であり、多種多彩な魔術≠操る優れた〈魔術師〉にして、神滅具の神器≠フ一つで霧による結界や転移などの空間術を操る〈絶霧〉の所有者である。
因みに父親はモヒカン頭の巨漢で、何処かを放浪しているらしい。
「皆さん、こんばんは。兵藤先輩、失礼ながら勝手にあがらせていただきました」
「いや、良く来てくれたね」
「相変わらず、その治癒技術を見せられると医者としての自信が揺らぎますよ」
「俺のは怪我にしか効果が無いんだけどなぁ」
「ちょっと待った。ゲオルク、どうやって転移≠オて来た? 如何に〈絶霧〉の所有者とはいえ、この家への侵入は容易くない筈だぞ」
「表から敷地内に入ってからですよ、曹操。仕事上がりに急遽呼び出されたというのに、玄関先から声を掛けても誰も出て来ていただけなかったもので」
「盲点だったな。いや、悪かった」
誰も気づかなかったな。
「まあ良いです。黒歌は身体の調子は如何ですか?」
「なんともないにゃあ。ゲオルクのお祖父ちゃんには感謝してるにゃ」
「それは何より」
ゲオルクがバイサーに目を向ける。
「それで曹操、彼女が患者≠ゥな?」
「ああ、名前はバイサーだ」
「患者……?」
バイサーは訝しんだ。
「私は、ゲオルク=ファウスト。魔界医師≠ニ人は呼ぶ」
「バイサー。ゲオルクは転生悪魔≠元の種族≠ノ戻せる男だ」
「そんな事が可能なのかしら!?」
「私が実証例だにゃ。『SS級はぐれ悪魔の黒歌』って、聞いたことなあい?」
「あなたが、あの……!? 名前を聞いた時には、同じ名前なだけだと思ったけれど……本当に、元に戻れるの!?」
「それなりに日数は、かかるがね。バイサーよ、私の治療を受けるかな?」
「こ……心細いから、曹操に付き添って欲しいわ」
顔を赤らめて曹操をチラチラと見るバイサー。
「ん? まあ、別に構わんが?」
特に気にせず請け合う曹操。
「なあ、曹操」
「なんだ、イッセー?」
「お前、バイサ
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