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水の国の王は転生者
第四十八話 アトラス計画
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た。
 そして、カトレアの放った『ガーゴイルの様な人生』という言葉にマクシミリアンは。頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

(ガーゴイルみないな……か。まいったな、でも言い得て妙かも)

 脇目もふらずトリステインの発展の為に尽力してきたのに、その結果が『ガーゴイルの様な人生』と評されたのがショックだった。だが、それ以上にカトレアの自分を心配する気持ちが嬉しかった。

(思えば、傾いたトリステインを立て直すために、ここまでやって来たんだっけか」

 以前の様な、貴族が平民を虐げるトリステイン王国は既に過去のもので、平民でも努力すれば報われる国へと変わった。
 その事に関しては、マクシミリアンは胸を張れた。

「カトレアは、僕に休めと、そう言いたいんだね?」

「そうです、お休みになられて下さい。今のマクシミリアンさまは、まるで生き急いでいるみたいです」

 カトレアは、マクシミリアンの胸に顔を埋め、マクシミリアンもそれを受け止めた。
 そして、マクシミリアンはカトレアの両耳を塞ぐように頭を持ち、軽くキスをした。

「約束をしよう。僕がこの旅から帰ってきたら、休むようにするから。今回ばかりは行かせて欲しい」

「約束……ですよ? マクシミリアンさまに、もしもの事があれば、わたしも生きて入られないのですから」

「ああ、絶対に……絶対帰ってくるよ」

「絶対ですよ? 帰ったら、ちゃんとした休暇を取って貰います。仕事も一切させません」

 マクシミリアンとカトレアは抱き合った。

 初めての夫婦喧嘩。
 色々あったが、カトレアはマクシミリアンの旅を認めてくれた。


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