第四十八話 アトラス計画
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れたのは、母のマリアンヌだった。
「それとも、カトレアさんを呼んで、家族一緒に劇場まで足を伸ばさない?」
「母上……」
アンリエッタとマリアンヌ……『母と娘はこうも似るものなのか』と、マクシミリアンは考えさせられた。
☆ ☆ ☆
その日の夜。マクシミリアンはカトレアとテーブルを囲んで夕食をとっていた。
献立は、メインは鴨肉のオレンジソース掛けで、他に牡蠣のスープ、野菜サラダなどだ。
「マクシミリアンさま。実はお願いがあるのですが……」
「お願い? 何んだろ?」
ナイフとフォークを置いて、カトレアは切り出した。
「わたし達、もう15歳ですので、トリステイン魔法学院に通ってみたいな……なんて思いまして。マクシミリアンさま、ご一緒に入学しませんか?」
「魔法学院か……う〜ん」
マクシミリアンも、ナイフとフォークを置き、ワインを呷って考えた。
「如何でしょうか? マクシミリアンさまも、同年代の皆さんと交友をもたれては?」
「まあ、王族が魔法学院に入っていけない、なんて法は無いし……」
「それではっ!」
カトレアの顔がパッと華やいだ。
「けど、僕は駄目だ入学しない」
「え……」
絶句したように、言葉につまるカトレア。
「実はカトレア。僕は近いうちに、トリステインから離れる事になったんだ」
マクシミリアンは、ここで切り出すことにした。
「また、外遊でしょうか? それなら、わたしも……」
「カトレアは、連れて行くつもりは無かったんだ。任地は遠い外国……少なく見積もっても一年以上は不在になると思う」
「外国? 一年以上? マクシミリアンさま、ちょっと待って下さい。何がなんだか……ちゃんと説明して下さい」
「すまない、カトレア。ちょっと焦り過ぎた。ともかく、今は食事中だ夕食後に、ちゃんと説明するよ」
「分かりました。
二人は食事を再開したが、カトレアは、突如、降って沸いた夫の不在の話に、気が動転して夕食の味が分からなくなっていた。
……
夕食後、自室にてマクシミリアンは、カトレアにアトラス計画の詳細を掻い摘んで説明した。
『大隆起』の事は話さなかったが、いずれは話すつもりだ。
「詳細は、分かりました。マクシミリアンさま自ら、この壮大な旅に参加されるというのですね?」
「そういう事だ。そういう訳で、カトレアには留守を預かって貰いたかったんだが……」
「留守を守る……ですか」
一緒にいるだけが夫婦ではない。
夫の不在の間、家を守る事も妻の務めである事を、カ
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