第四十八話 アトラス計画
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は、言いよどんだ。
「それは?」
「連れて……連れて行かないつもりです。この計画は失敗の許されない、トリステインの未来の為にも、絶対に成功させなければならない部類のものです」
「報告にあった『大隆起』の事か、報告書を見たが、正直なところ眉唾モノなのだが……」
「何かあってからでは遅いのです。海外から得られる利益も大事ですが、本当に大隆起が起こった場合の為に、移住先を確保しておかなければならない」
その後、マクシミリアンの説得に、エドゥアール王も徐々に傾き始めた。
「……分かった。お前の計画参加は認めよう。だが、カトレア殿の説得はお前自身がするんだ」
「承知しました」
マクシミリアンは退室し廊下へ出た。
(カトレアの説得。むしろ、こちらの方が難題かも……)
頑固な所のあるカトレアの説得に悩んだ。
(カトレアは笑顔で送り出してくれるだろうか?)
それとも……と難しい顔で廊下を歩いていると、
「お兄様遊んでっ!」
と、アンリエッタが胴タックルをかましてきた。
「ぅぐほぉっ!」
声にならない声を上げ、マクシミリアンはマウントポジションを取られた。
「お兄様遊んで! お兄様〜っ!」
「ぅぐっ、げほっげほっ、アンリエッタ、ちょっとどいて……」
「は〜い☆」
悪気は無かった様で、アンリエッタは素直にどいた。
(それにしても、アンリエッタが大きくなる度に、胴タックルの鋭さが増しているような)
今年、8歳になるアンリエッタは、ますます、お転婆に磨きが掛かっていた。
幸い、勉強はしっかりと行っている様で、魔法の成績も8歳で水のドットになり、更なる成長が見込まれた。
「どいたから遊んでくれる?」
「今は駄目。ちゃんと勉強したら遊んであげるよ」
「本当に? 勉強したら遊んでくれるのお兄様?」
「本当だよ、だから、しっかり勉強してね?」
「はぁ〜い、お義姉様にもよろしくね」
アンリエッタは、パタパタと走り去り、マクシミリアンはホッと息を吐いた。
(もし、オレに万が一の事があっても、アンリエッタがしっかりしてくれれば、トリステインは安泰だ)
だが、今のアンリエッタを見ると、不安になる部分もあった。
「まだ、子供とはいえ、アンリエッタにも困ったものだ。王族としての心構えを覚えて貰わないと」
『お前が言うな』と、何処からか聞こえてきそうだった。
「帰ろう……さて、カトレアにどう切り出したものか……」
マクシミリアンが、少し早足でこの場を去ろうとすると、
「あら、マクシミリアン。せっかく来たのだし遊んでいかない?」
アンリエッタが去った反対方向から現
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