第四十八話 アトラス計画
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ゥアール王が、驚きと呆れが半分づつ入り混じった顔で、発案者のマクシミリアンに聞き返した
マクシミリアンが上げた計画。それは『アトラス計画』と呼ばれ、アトランティクス洋(大西洋)を横断して北米大陸を目指す、壮大な計画だった。
「本気も本気です。我がトリステインは、好景気の真っ只中でありますが、他の国々よりも国土は狭く、あと、数十年もすれば国内は開発し尽くすと予想されます。ならば、海外に領土を置き、それぞれの地域から産出される珍しい品々取り寄せ、国内で加工し売買すれば、トリステインの富は永く続くことが出来るでしょう」
参加した大臣、文官らが、ザワザワと話す声で、御前会議が一時中断してしまった。
「静粛に! 陛下の御前にあらせられるぞ!」
会議の進行役を仰せ付かったマザリーニが、声を張り上げると会議室はシーンと水を打った様な静けさになった。
「質問がございます。よろしいでしょうか?」
文官の一人が挙手して、質問を求めた。
マザリーニはチラリとエドゥアール王に目配せした。
「うむ、発言を許す。良いな? マクシミリアン」
「はい、質問とは何でしょうか?」
「ありがとうございます。海外に領地を持つと言われましたが、どの様にして統治なさるおつもりなのでしょうか?」
「お答えします。適当な土地が見つかった場合、トリステイン国内で移民の募集をします。統治方法は、海外ということで直接統治は難しいと思われますので、誰か適当な人を総督に置いて統治します……以上です」
「ありがとうございました」
質問の終わった文官は着席した。
「他に質問は? ……他に無いようでしたら陛下、ご採択を」
「うむ、余はこのアトラス計画の承認をここに宣言する」
エドゥアール王は、高らかに宣言した。
……
御前会議終了後、マクシミリアンはエドゥアール王の執務室に呼ばれた。
「父上、失礼いたします」
「よく来た、マクシミリアン。先の会議の事だが、あのまま終わらせて本当に良かったのか?」
「もちろんですとも、アトラス計画に、僕自ら参加すると聞けば、必ず反対する者が現れましょう」
「正直なところ、私も反対なのだが」
「その事については、事前に説明しましたでしょう? 未知の土地で、どの様な怪物や疫病が存在するか分かりません。この僕、マクシミリアン・ド・トリステインは、事、水魔法に関しては、ハルケギニアでもでも屈指の実力者と自負しております。僕が居なければこの計画は成功しないと思っております」
「分かってはいる。だが、お前の妻、カトレア殿はどうするのだ、長期間の不在は避けられないぞ? もしや連れて行くつもりか?」
「それは……」
マクシミリアン
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