爪編:トークルームW
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《外食しちゃった》
「ただいま」
「お帰りなさい、GV。ご飯、出来てますよ」
「…あ、ごめん、オウカ」
「どうかしましたか?」
「実はさっき、シャオと外食してきて…」
「あら、そうでしたか」
「連絡してなくてごめん」
「大丈夫です。気にしないで下さい」
「作ったご飯、どうするの?」
「明日のお弁当…ですね。無駄になったわけじゃありませんから、そんなに暗い顔しないで下さい。ね?」
「本当にごめん…次からはちゃんと連絡するよ」
僕がオウカに謝罪しているとモルフォが悪戯っぽく笑いながら姿を現した。
『ふふ、やっぱりGVはソウの弟よね。ソウも遅く帰ってきた時、既に簡単に済ませていたからテーラが作っていたお夜食を朝食にして食べてたのよ。やっぱりそういうところはそっくりだわ』
「まあ、そうなのですか?ふふ、やっぱりお2人はそっくりですね」
「そ、そうかな…」
『あの時のソウは珍しく困っていたような顔をしててね…珍しい物が見れたわと思って…』
「モルフォ、お前は後で罰を与える」
あの時の兄さんの顔は…とても怖かった。
(パンテーラとの心の繋がりを感じた)
(シアンは焦りを、モルフォは身の危険を感じた)
《お帰り》
「ただいま…あれ?」
家の中は静まり返っていて部屋の電気も点いていなかった。
どうやらオウカは留守のようだ…何時もの出迎えがないとなんだか妙な感じだな…。
「あっ、GV!お帰りなさい。先に帰っていたんですね」
振り返ると、両手に買い物袋を提げたオウカの姿。
「お買い物をしていたら遅くなってしまいました」
「お帰り、オウカ」
「あ…はい!ただいま帰りました。ふふ、何時もと逆ですね。久しぶりに、お帰りって言われた気がします。こんなにも…ほっとするものなんですね…」
幸せそうに微笑むオウカ。
…たまには早く帰って、オウカにお帰りと言えるようにしたい。
少しして兄さんも帰ってきたのでお帰りと2人で伝えると兄さんは呆れたような表情を浮かべていたけれど、その表情はどこか柔らかかった。
(シアンは焦りを感じた)
《少しだけ》
「はあ…」
私は冷えた指先を擦りながら夜空を見上げていました。
「お金を持ってくるべきでした」
皇神の施設からある資料を強奪し、能力で逃亡したのは良いのですが、今夜は思ったよりも寒いです。
ソウから頂いたフェザーの制服は耐寒性能も良いのですが、肌が露出している部分は冷えます。
目の前に自動販売機があるというのに…。
「ほら」
「え?」
聞き覚えのある声に顔を上げると、ソウが目の前に
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