第7章:神界大戦
第221話「抗いの光」
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ひっ、ぅ……」
再び狂気に呑まれ、狂気の赴くまま優輝を攻撃した。
その事による罪悪感で、名前を呼ばれた緋雪はびくりと肩を揺らす。
「……司」
「っ、優輝、君……」
司も同じように怯えの色を見せていた。
親友であり、好きな人を傷つけた罪悪感が、心に重くのしかかっていた。
「……奏」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイ」
奏に至っては、壊れかけていた。
ショックと罪悪感によって、ただただ謝罪の言葉を繰り返していた。
「椿、葵」
「ッ……」
「優ちゃん……」
椿と葵は、他に比べて若干堪えていた。
それでも辛そうに優輝の名前を呼び、見つめていた。
「…………」
五人の様子を見て、優輝は周囲を見渡す。
五人以外にもショックを受けて戦意喪失している者が多くいた。
一部は、先程の戦闘で満身創痍になっている者もいる。
「っ……」
「優輝……!」
行動を起こそうとして、優輝はふらついた。
慌てて、近くにいたアリシアが支える。
「……、っ……喝ッ!!」
「ッ!?」
支えてもらった優輝は、一度深呼吸してから一喝した。
ボロボロの体では、それをするだけでも吐血してしまう。
それでも、優輝は皆に耳を傾けさせるために大声をあげたのだ。
「……ショックか?罪悪感か?ああ、確かに酷く重く、そして辛いものだろう。……信じたくないだろう」
「………」
涙を浮かべたまま、緋雪や司が何事かと視線を向ける。
同じように、奏達も視線を集中させた。
優輝達を守るように陣取っていたとこよ達も、耳を傾ける。
「……だけど、そうやって圧し潰されそうになって、何になる」
「っ、ぁ……」
血の気が引くかのような、冷や水を掛けられたような気分だった。
まるで突き放すような言葉に、ショックが上乗せされる。
「(……お兄ちゃん……)」
その中、緋雪だけは少し違う思いを抱いていた。
今の優輝の態度に、見覚えがあったからだ。
「(……導王としての……)」
それは、在りし日の導王としての優輝……否、ムートと同じだった。
“王”として振る舞う姿が、今の優輝と酷似していたのだ。
「……慰めが欲しいか?叱責が欲しいか?それとも、恨み言でも言われた方が楽か?……そんなのお断りだ」
「で、も……!」
“そう言われても割り切れる訳がない”。
そう司は涙ながらに訴える。
「……気にするなとは言わない。罪悪感を背負うなとも言わない。でも、足枷にはしないでほしい。圧し潰されそうになっても、乗り越えて欲しい」
言葉を発する口の端から
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