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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
4-5 反撃
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鳩子は火で間一髪守り、敵を怯ませ近付けないようにしている。
あたしは独断で守りではなく木村に向かった。

繰り出される茎を「時渡」を駆使し、躱しながら近づく。

あたしが木村を引きつけられれば、鳩子と山崎の一対一。それなら勝機はある。
素早いあたしを警戒し木村は蔓を生み出した。

蔓は茎程の大きさと威力はないが、スピードと小回りに長けていた。

(これ以上は近付けないか)

しかし木村の注意を引くことは出来ている。
あとは鳩子が山崎を倒せば……。

「あ、あれ?」

見ると、鳩子の周りから火が消えかけていた。
ついに異能の残量が底を尽きたようだ。

そこを逃さず山崎は小さな火を無視し、相当な速さで鳩子に詰め寄る。
異能で強化されたワンツーが顔に、蹴りが鳩子の脇腹に当たる。

「うっ!あっ!」
「鳩子さんっ??」

倒れた鳩子に駆け寄る彩弓さん、だがすぐに山崎が追いつく。
「わりぃな。腕だけじゃなくて脚も強化できんだわ」
敵の知りたくなかった知らせも蔓を躱すのに必死で気にしていられなかった。

今度は茎があたしに迫った。
難なくこれを避けるも茎の勢いは止まらない。
(まさか狙いは……!)

茎は勢いそのまま千冬ちゃんのいた地点を直撃した。

千冬ちゃんはとっさに避けていたが、

「ああ……」

ワープゲートは消滅してしまっていた。

「く……」
「そんな……」

最後の望みが絶たれた。

「……」

なにも言えなかった。
ただ突っ立っていた。

負けたという現実味がまだない。

みんなの異能は底を尽き、体力は限界、唯一の退路のワープゲートはたった今かき消された。

もう一度作れるかもしれないが五分守り通す術がない。

これで終わり?
みんな殺される?

「終わったな。案外、呆気なかったな」
最初に口を開いたのは砂川だった。

「そうですね。所詮は人の子ということでしょう」
他人事のようにフォクシーは言う。

「じゃあ、殺せ。山崎」
「……」
「どうした? 山崎?」
「いや、なんでも。殺します」
「まずは厄介な白髪からだ」
山崎は考えるような素振りをしたが、覚悟を決めたように前へ進んだ。


いやだ。

やめて。

やっと見つけた居場所を壊さないで。


あたしは全力で鳩子の元へ駆けた。

「わりいな」

いやだ。

こんな形で
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