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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
4-5 反撃
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だけ頭数揃えるのに苦労したか」

「あなたが砂川さんですか。異能者をまとめているのもあなたですか?」

「ああ、もちろん今回の戦いを起こしたのもだ。しかし女だけでよくやるぜ。今まででぶっちぎりにつえー。だが……」

そこでフォクシーが丸眼鏡を押し上げた。
「ええ。彼女達には異能を使う力がもう残っていません」

「……!」
まずい、弱みを握られた。
でも一体、どうやってそのことを?

「もちろんこれだけ異能を使えば枯渇するのは予想できますが、なに、簡単な話です。精霊は異能の使用残量を見れる。誰でも出来る芸当ですよ」

精霊がここまで干渉してくることは予想していなかった。
そこで違和感がした。
見ると彩弓さんも同じことを思っているようだ。
精霊がここまで参加してくるのであれば、一十三さんがそのことを説明しないはずがない。

フォクシーのニヤニヤとした笑みが止まらない。
「困惑されていますね? そうでしょう、本来ならば精霊のバトルへの過度な干渉は公平を期すために禁じられている。しかしそんなもの……バレなければよいのです」

つまり不正をしているということね。

砂川はいたずらをする前の子供のように言う。
「フォクシー、あれも教えてやれよ」
ニヤニヤ顔で頷くフォクシー。
「一番最初の戦いであなた方の居場所や状況を教えたのはわたくしです。そして男性を脅し戦うよう指示した。期待はずれでしたがね」

文芸部四人に不穏な空気が流れる。

「あそこまで使い用の無い異能があるとは驚きました。まあ傷だらけで逃げ惑う鬼ごっこは悪くない見せ物でしたね」

鳩子が構え異能を放とうとした寸前に
「鳩子さん!」
彩弓さんが制止した。
「今はまだ耐えてください。千冬さん!」
「あと三分」

「とゆーわけでぇ、おれの催眠は破られたが、まだこっちには二人残ってる。山崎。木村」
「はい」
「は、はい」
砂川を除く二人がこちらに向かってくる。

千冬ちゃんのワープが完成するまであと三分。
「三人で千冬さんを死守します! なんとしても時間まで耐えてください!」
「「了解」」


「借りは返させてもらうぜ、白髪ぁ!」
山崎が鳩子に向かって打って出た。

あたしの前、長髪の木村と呼ばれる男は木ほどの太さのある茎を足元から生やし伸ばしてきた。名前の通りどうやら植物を操る異能らしい。が、それはあたしの方には来ていない。

「鳩子!」

敵はあたし達二人を無視し、鳩子を狙う。遠距離攻撃手段の無いあたし達二人は駒として浮いてしまっていた
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