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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
4-5 反撃
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と残っているのは腕力強化の山崎と砂川。恐らくは体育館でしょうが……」
そこで彩弓さんは悩むように言葉を切った。
「ここで一度撤退すべきかもしれません」
「「!」」
「千冬さん、まだ戦えますか?」
「うーん、ちょっと眠い」
千冬ちゃんは異能の限界が近づくと眠くなることを皆知っていた。
「鳩子さんは?」
「わたしはあと少ししか……」
歯切れが悪かった。
よく見ると大きな傷は無くとも小さな傷ならみんな数えきれない程あった。
それに長時間の戦いでの疲れが見える。
「これだけ異能を使ったんです。いつ使えなくなってもおかしくありません。加え敵二人はまだ戦っていない。新手も考えられます。おとなしく引くべきでしょう」
みんなが苦い表情をする。
「数十名の不良を倒し二人のプレイヤーをリタイアさせたのです。加えこちらの損害はない。戦果としては充分でしょう?」
ぶっちゃけてしまえばもう戦いはこれきりで終わらせてしまいたかったが、負けて失ってからでは遅い。
三人とも首を縦に振った。
「機を見てまた乗り込みに来ます。その時こそ最後にしましょう。千冬さん、ワープの準備を」
千冬ちゃんがワープの準備に取り掛かった時。
「おや、もうお帰りですか?」
目を背けたくなる光景が目に入った。
フォクシーが少し離れた所で浮かび、その後ろの体育館から三人出て来ている。
ひとりは山崎であと二人は初めて見る。
制服を着崩し黒髪をオールバックにした大柄な男。ぼさぼさの長髪であまり垢抜けない痩せた生徒。
右と左に校舎、後ろは連絡橋が崩れた瓦礫で通れず前には包囲するように敵。
閉じ込められた。
「昨日ぶりですね、まずは約束通り来て頂いたことに感謝を……」
「千冬さん?? あとどれくらいかかりますかっ?」
「五分くらい」
彩弓さんが苦虫を噛んだような顔になる。
「つれないですね。こちらはここまで歓迎の準備をしているというのに」
すると真ん中の男が口を開いた。
「それな。いやあ、ここまでやるとは思わなかったぜ。何人やったよ?」
「三十はやられたんじゃないですかね? 砂川さんの異能で把握出来ないんですか?」
砂川と呼ばれた男は山崎の先輩に当たるのか、山崎は敬語で話していた。
「できねーな。大人数だと簡単な命令ができるだけだからよ」
砂川はポケットに両手をつっこみ不遜な態度で話しかける。
「よお、泉光の女共。おれは一応北高の頭やってる砂川っていうんだが、大変なんだぜ? 異能で人を集めてこき使うってーのも。おれがどん
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