暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part5/奪われたデルフ
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
今言った通り、現に彼女らはこの街に…この世界に害をなしている。怪獣や異星人の悪行と比べて小規模な被害だが、誰かが迷惑を被っていること、心を傷つけているということは変わらない。今回の場合、その心の傷を負ったのはスカロンたちだ。妖精亭の名の由来となった宝である…魅惑の妖精ビスチェをどういうわけか盗み出しているのだから。
「ごめんねスカロンさん、こう見えて私たち…実は俗に言う悪者なんだ」
「この世界で路頭に迷っていた矢先に、あなたに拾われた恩も忘れてはいない。だが…我々はボランティア精神であなたのもとにいたわけではない」
シルバとスカロンが、恐らく自分たちのことを信じようと必死になっているスカロンに、もう理解をしてくれと言いたげにそう言った。加えてブラックの決定的ともいえる台詞が出る。
「我らの目的のためにも、必要なことなのだ。そのため、我らを拾ってくれたあなたの恩情は実に都合がよかった。改めて例を、そして黙っていたこと、あなたのお気持ちを踏みにじったことへの詫びを入れよう」
彼女自身の人としての心なのだろうか。さっきまでやや得意げであった態度から一転して、スカロンを結果として裏切ったことを謝罪する。無論こんな一言だけで納得できるようなことではないのだが。
「だが生憎、我々の崇高なる野望の成就のためにも、ここで捕まるわけにはいかん。二人とも、拿捕した『ジャンバード』へ引き上げるぞ!」
「お。ってことは、あの船を乗っ取れたんだね。ブラックちゃんめっずらし〜!肝心なときに限ってウケる失敗して笑わせてくるパターンなのに」
「大方、『あいつ』の協力もあってこそだろ。いくらこいつでも一人であの船を奪えないさ」
「おい!少しは私を持ち上げたらどうなんだ!?私がリーダーなんだぞ!?」
二人の仲間がどちらとも尊敬するどころかからかい交じりにけなしてくる様に、ブラックは納得できないと声を上げる。
「ジャンバード!?どういうことだ!」
「ふっふっふ…我々ブラ…じゃなかった、『土くれのフーケ』にかかればあの船の一隻や二隻、拿捕するなど造作もないのだ!」
サイトからの質問に得意げに言い放ったブラックの答えを聞いて、サイト達は耳を疑った。そんなはずがない、滅多に変身できなくなったとはいえ彼は自分達と同じウルトラマンだ。そう簡単に遅れをとるような人ではない。それに彼のそばにはヤマワラワもいたはずだ。
「ムサシさん、応答してください!」
「春野隊員、聞こえるか?」
確かめるべくサイトはビデオシーバー、シュウはパルスブレイガーを起動しジャンバード内のムサシに連絡を取り付けるが、通信不能の証である砂嵐の音がザーっとなるだけであった。
「お前、ムサシさんたちに何をしやがった!」
恩人であるスカロンへの裏切りに加えマジックアイテムの連続窃盗、そしてムサシやヤマワラワ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ