黒星団-ブラックスターズ-part5/奪われたデルフ
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れてたけど…」
「問題ない。私の触手は刃物のように高質化できる」
ノヴァは静かに淡々とそう言った。もし余裕のある状況なら、サイトたちは彼女がタバサに近い人となりだと感想を抱いただろう。
「寧ろ…」
「寧ろ?」
「たまには、斬られるのも…」
「の、ノーバちゃん今とんでもないこと言おうとしなかった?!」
前言撤回。どこか変質的な要素も内包していたらしい。少し顔が赤らめているのを見て、シルバは若干引いた。彼女の反応を見てノヴァは自らの失言に気づき、こほんと軽く咳払いする。
「と、とにかくこの場を一刻も早く切り抜けるぞ。ブラック達と合流し、この世界で手に入れたアイテムを整理しなければな」
そう言いながらノヴァは「合点!」
「そうはさせるか!盗んだ物を返しやがれ!」
逃げるつもりか!そうはさせるかとサイトが真っ先に動き出した。
「!あぁもう邪魔しないで!」
サイトの襲来に気付いたシルバが叫ぶ。隣にいたノヴァが、剣を向けてきたサイトに向けて触手を伸ばす。またか!とサイトはうんざりしつつも職種を切り飛ばそうとする。しかし、ノヴァはもうそんなことは見切っていたのか、サイト本人ではなく、サイトが握っているデルフに狙いを定めた。
巧みにサイトの両腕に右腕の触手を絡み付かせ、デルフの刀身にも巻きついていく。
「どわ!?んだこりゃ!?」
「く、この!」
デルフも両腕も絡め取られてしまい、こうなるとサイトは持ち味であるガンダールヴの力を発揮できなくなる。しかも触手に込められた尋常ではない力は、ウルトラマンの力を得たことで身体能力も向上していたサイトでも引きはがしきれないほどの力が込められていた。ノヴァは残った左腕の方から触手をもう一品生やすと、それをサイトの顔面にバチん!と叩き入れた。
「ぶ!」
まるでゴムパッチンでも食らったような悲鳴をあげるサイト。その瞬間サイトの腕の力が脆くなったことを見抜いたノヴァは、勢いよく触手を引っ込める。
結果、サイトが握っていたデルフは、ノヴァの手元に渡ってしまった。
「あ、デルフ!」
「相棒!」
手元を離れたデルフに向けて反射的に手を伸ばすサイト。だが、今はそれが悪手となった。
「もらい!」
右腕を突き出していたシルバが既に目の前にいた。
「しまっ…!」
デルフを奪われた今のサイトに、シルバの粘液を防ぐ術も避けるだけのすばしっこさもなかった。
「悪いけど、これで丸裸にしちゃうんだから!えい!」
バシャ!とサイトに粘液が飛ばされる。これを一度浴びれば、サイトは…
「〈エア・ストーム〉」
瞬時にサイトの周囲に、彼を守るように突風が吹き荒れ、シルバの放った粘液はサイトにぶっかかる直前でかき消されてしまった。
「嘘!?」
「…とぅ!」
驚いているシルバに、シュウが地下水を握って接近し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ