黒星団-ブラックスターズ-part5/奪われたデルフ
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付ける。赤い触手は二人の攻撃を数発受けて反射的に引っ込んでいく。それを目で追っていくと、その先で一つの人影を見つける。
見つけたのは、ボロボロの赤マントを身に纏った小柄な少女だった。
「『ノヴァ』!?あんたまで!」
彼女を見てジェシカが名前を叫んだあたり、シルバという少女の仲間らしい。
「伏せろ!」
シュウが叫ぶと同時に、赤マントの少女は再度マントの下から触手を伸ばしてサイト達を襲わせた。鞭を2本同時に振るうように周囲を巻き込んでいく赤い触手。
「この!」
サイトがデルフを振り回して対応し、シュウも腰のホルスターより一本のナイフを取り出した。
「地下水!」
「へへ、ようやく出番ってわけか、待ってたぜ!」
待ち望んでいた活躍の場が来たことに地下水は感謝した。
地下水は早速シュウの意に従い、今この状況において適切な魔法を発動する。サイトの剣捌きでは長くは持たない。まずは防御壁だ。
同じくマチルダもサイトがデルフを振り回して、赤い触手の攻撃を凌いでる間、その後ろで詠唱していた。そしてシュウが地下水を、マチルダが杖を振るうと同時に、二人の手によって魔法が放たれる。
先に魔法が発動したのはマチルダ。石の壁の生成だ。
そこへシュウが地下を発動する。水系統の魔法〈アイスウォール〉。名前の通り氷の壁を形成する魔法だが、彼は実際に氷の壁を作るのではなく、マチルダの土壁にそれをかけた。結果、土壁は氷に覆われ、赤マントの少女の触手を遮った。
トライアングルクラスの二段重ねの魔法ということもあって頑強となったその壁に、さすがの赤マントの少女『ノヴァ』も、触手を叩きつけてもびくともしなかった。
「っち…」
ノヴァが舌打ちしていると、頭上から人影が落下してくる。
「おおおぉぉぉ!」
デルフを頭上から振り下ろそうとしているサイトだ。シュウとマチルダが防御壁を精製している間に高く飛び上がり、ノヴァに奇襲を仕掛けてきた。
ノヴァが間一髪それに気づき、サイトの剣撃をドッジロールして回避、体制を立て直してサイトに応戦しようとするも、今度はドバン!と銃声が鳴り響き、彼女の足元に銃弾の跡の穴が出来上がった。
顔を上げると、アニエスがノヴァに新たに銃を用意して銃口を向けていた。
「動くな!」
アニエスとサイト、二人から武器を向けられ一歩も動くことさえ許されなくなるノヴァ。だがその間に、先ほどアニエスがマチルダによって自身の上から下された際に解放されたシルバがノヴァを援護するべく彼女の元へ駆け出しており、サイトとアニエスに再び酸性の粘液を飛ばしてきた。強力な酸性の液体が相手では先ほど同様避けるしかない。
サイトとアニエスが一時退いたところで、入れ替わるようにシルバはノヴァの隣に立った。
「ふぅ、助かったよ『ノーバ』ちゃん!でも大丈夫?おもいっきし触手切ら
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