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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
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、違うっすよね。こんなのは」
そう言い、敵の動きが止まった。
そして鳩子の水が間に合い、敵を押し流した。
敵は水で捕らえた。
水で捕らえた時点で透明化は解除された。
あたし達と同い年くらいの男子だった。
後は水ごと外の中庭に叩きつけ土に埋めれば終わりだ。
自力で脱出は出来ないため透明になっても意味はない。
「ちょっといい灯代ちゃん」
合流を急ぎたかったが鳩子は私も気になっていたことを問い質した。
「どうしてさっき止まったんですか?」
さっきのやりとりは距離的に止まっていなければやられていた距離だった。
「……おれっちには友達がいるっす」
「え?」
「生真面目で、世話焼きで、肝心なところでおっちょこちょい」
「……」
「あの時、その友達を思い出したっす。それでやっぱり違うなと思ったっす」
「……なにがでしょう?」
「おれっち達にも望みがあるっす。だけどそのために人を殺めるのは違うっていま気付いたっす」
あたしは押し黙っていた。
今更気づいた。敵にもそれぞれに戦う理由があるのだと。
「図々しいっすけど頼みがあるっす」
「なんですか?」
「山崎さんは殺さないでくださいっす」
男は項垂れながら懇願した。
それを聞いて鳩子はあたしを見た。
鳩子は優しい。自分を殺そうとした人の頼みを聞いてしまうほどに。
それに対しあたしは
「いいんじゃない? 元々そのつもりだしね」
「ありがとう、灯代ちゃん」
「ありがとうっす」
これでいい。
甘いと言われようとこの甘さがあたし達なのだから。
「名前はなんて言うんですか?」
「おれっちの? 山下っす」
その後、鳩子は山下をしっかりと埋め、あたし達は先を急いだ。
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