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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
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一方、予定されていた時刻を少し過ぎ、日が沈んだ頃。
舗装はされているがあまり車が通らない裏道を、暗闇に溶ける黒い大型二輪車が走っていた。
「あとどの位で着きますかっ!」
「もーちょいだな、そろそろ見えてくるはず」
おれは一さんのバイクの後ろに跨らせてもらっていた。
「もう少しスピード出せますか?」
「……この前調子乗ってスピード出してたら捕まっちゃってな。次捕まったらアウトなんだわ。いやあ、おれも若いな」
「言ってる場合ですか!」
法定速度遵守。たとえ約束に間に合わず、仁義に背こうとも速度違反をしない。ドライバーの鑑がそこにいた。
昨日、フォクシーが去った後に一十三さんから一さんに決戦のことは伝わっていた。
一さんはおれにも伝えてくれた。
みんながおれ抜きで戦おうとしていることも。
みんなに守られる自分に情けなさもあったが、そんなことより力を付けた今の自分を見せつけてやろうという心意気があった。
(今なら、みんなを守れる)
北高までは一さんの愛車、「黒き冥界の番犬(ケルベロス)」で送ってくれることになった。
途中道が混んでて、裏道から向かったため少し遅れているけども。
「とか言ってる間に見えたぜ、北高」
小さな校門と塀の奥に校舎らしき建物が見える。
「こっちは裏門だな。女子共は正門から入ったかもな」
「はい! ありがとうございましたっ」
ヘルメットを渡し校門を見ると。
門の周りには不良がたむろっていた。
「寿来」
一さんが遊びのない顔で話す。
「おれがお前にしてやれるのはここまでだ。次会う時は……分かってるな?」
「……」
「おれがやるまで死ぬんじゃねーぞ?」
そう言い、左手の拳を突き出した。
おれも拳を合わせて答える。
「死にませんよ。一さんに訓練されたんですから」
「上等。今のお前なら大丈夫だ。かましてこい!」
「はい!」
短くも深い邂逅は終わりを告げる。
二人は互いに背を向け、それぞれの道へ進み出した。
校門までの階段を登る。
「おい、何の用か知らねーが今うちは立ち入り禁止だ」
構わず進む。
「おい、てめーに言ってんだよ!」
進み続ける。
「止まれって言ってんだろ」
堪えきれなかったひとりがバットを振ってくる。
それを右手で掴み、左手で顎を打つ。
バットの不良は一発で失神した。
寿来の腕は黒い炎を纏っていた。
炎の勢いが増す。
「なっ??」
「わるいけど通してもらう」
(ヤンキー七人対おれ一
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