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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第四章 異能バトル
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供だ。
いつから山崎さんはこんな事に手を貸すようになっちまったんだろう。
あの頃はあんなに……。
「ああ、戦いたくねっす」
うんざりしつつ、しかし山下は持ち場へと向かっていった。
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途中危ない所もあったけど不良達は全員行動不能にした。
「おつかれ! 千冬ちゃん」
「おつかれ。鳩子」
ハイタッチを交わす二人。
グラウンドには死屍累々といった感じで不良が倒れてたり、首だけになってたりしてる。
改めて私と二人の異能の規模の違いを目の当たりにした。
「まだ硬いですが悪くない動きでした」
彩弓さんがあたしの戦いを褒めてくれた。
とはいえ、一人目の突進してくる相手の足元崩して、二人目のカバーしてきたやつにハイキックかましたくらいであとは彩弓さんが絞め技や回し蹴りでノックダウンさせた。
「いえいえ、とんでもないです! ほとんど彩弓さんがやってくれましたし」
「確かにそうですが」
そうだけどっ。
「それでも一週間前と比べたら別人です。この調子でいきましょう」
「……はいっ!」
評価に対しシビアな彩弓さんから褒めてもらえることは単純に嬉しかった。
「さて」
不意に辺りを見回すと、彩弓さんはさっき先頭で話した不良の元へ向かった。
「少しお尋ねしたいのですが」
不良はうつ伏せに倒れていて返事はなかった。
しかし不良の腕を持って曲げ
「次は外します。お尋ねしたいことがあるのですが」
「わ、わ、分かった! 待ってくれ、なんでも答える!」
なんでこんな拷問に慣れているんだろう?
「山崎という方はどちらに?」
「し、知らねえんだ! ほんとだ! ただ……」
「ただ?」
「山崎さんは北高を仕切ってるひとりだ! 今回頼まれたのは砂川さんだが、山崎さんも高校にいるはずだ!」
「なるほど、場所の心当たりは?」
「校庭の隅にあるそこの部室棟によくいる!
砂川さんと一緒に!」
「砂川ってだれ? そいつも異能持ち?」
「砂川さんはウチのトップって言われてる人だが……いのう持ちってなんだ?」
「どうやらこの人達は異能については知らないようです」
するりと彩弓さんは不良から離れた。
「ではその部室棟に行ってみましょう。罠があるかもしれませんので気をつけて」
「はい」
そうしてあたし達はグラウンドを後にした。
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