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夢幻水滸伝
第百八話 低い山なれどその一

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               第百八話  低い山なれど
 吉川はアレンカール達と一旦分かれて山の上の方に集まっているアフリカの人の星の者達のところに行った。
 そうして彼等と話したが。
 最初に動きやすいダークグリーンの半袖のシャツとズボンそれに黒い靴のカブトムシの昆虫人の男が彼に声をかけた。人雄星ウォーレ=ビークである。ナミビア出身で職業は山賊持っている神具はオグンの剣である。
「こちらに来ましたか」
「案内をしようと思ってな」
 吉川はビークに答えた。
「それでだ」
「そうですか」
「とはいってもこの山のことは知っているな」
「もう来てますさかい」
 それでとだ、ビークは答えた。
「そう言われますと」
「そうだな、しかしだ」
「それでもですか」
「聞かれたら話そうと思ってな」
「そうですか」
「来たが」
「今のところは」
 今度は小柄なホブゴブリンの少女が言ってきた、何処か人間に似た顔立ちで白い上着とピンクの膝までの半ズボンが動きやすそうだ。人奇星ライア=ライエだ。ガーナ出身で職業は薬剤師持っている神具は尽きることのない万能薬イマナの壺だ。
「ないですわ」
「そうか」
「はい、ウォーレっちも言いましたけど」
「何度か来ているからか」
「ここのことも知ってます」
 それでというのだ。
「それで」
「わかった、だがな」
「聞きたいことがあったら」
「何でもだ」
 それこそと言うのだった。
「聞くことだ」
「わかりました」
「まあこの山は」
 漆黒の、チョコレートを思わせる色の肌に金髪、猫の様な金色の目の闇の精霊の女だ。着ている服は白のローブだ。人猛星レベッカ=オヨノだ。カメルーン出身で職業はサイオニック持っている神具は敵を縛る武器であるオニセンコポンの糸だ。
「木がなくて」
「草原だけでな」
「見晴らしがよくて」
「こうした晴れの日にはだな」
「お弁当や飲みものを持ってきて」
 そしてとだ、レベッカは吉川に話した。
「そうしてです」
「飲み食いをだな」
「楽しみたいですね」
「お酒なんか持ってきて」
 ライアが笑って言った。
「サンドイッチとか焼き肉とか食べるといいかもね」
「バーベキューか」
「うん、日本のお花見みたいな感じで」
 こう吉川に言うのだった。
「それどうかな」
「そうだな、それはな」
「いいよね」
「私も思う」 
 その様にとだ、吉川はライアに答えた。
「ここに弁当を持ってきたりバーベキューを用意してな」
「お酒も沢山持ってきてね」
「そしてだ」
「飲んで食べたらね」
「実にいいだろう」
 ライアにこう答えるのだった。
「君の言う通りな」
「そうだよね」
「それも確かに」 
 レベッカも二人の話を聞いて言った。
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