第七幕その六
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「保存食ね」
「うん、そうだね」
「やっぱり長い船旅をするから」
「それでだね」
「こうした食べものなのね」
「そうなんだよ、船で長い旅をするとなると」
教授が五人にお話します。
「保存と栄養を考えないといけないね」
「外の世界ではそうですね」
「オズの国ではそうでなくても」
「船旅は大変で」
「それで、ですね」
「両方を考えないといけなくて」
「そう、それでね」
教授はザワークラフトを食べつつ言いました。
「このザワークラフトもそうだよ」
「野菜と食べないとである」
チェーチ船長も言ってきました、見れば船長もザワークラフトを食べています。そしてソーセージとラム酒も楽しんでいます。
「身体によくないであるからな」
「だからですね」
「そうである」
それでというのです。
「それでザワークラフトも食べてである」
「このお酒もだよ」
船長はラム酒を飲みつつお話しました。
「ライムのお汁を入れてね」
「飲むこともですか」
「そのうちの一つですか」
「身体の為ですか」
「ただお酒を飲むだけじゃなくて」
「そうした意味もありますか」
「そうだよ、ザワークラフトと一緒で」
それでというのです。
「ビタミン補給なんだ」
「お野菜と果物ですか」
「どっちもちゃんと食べてですね」
「栄養もしっかりと考えて」
「そしてですね」
「そのうえで」
「そうだよ、しっかりと食べて」
それでというのです。
「飲んで健康を守っていたんだ」
「パンもである」
チェーチ船長はこの主食については顔を顰めさせて言います。
「吾輩は知らないであるが」
「どうしたんですか?」
「何かあったんですか?」
「パンについて」
「一体何が」
「パンといよりビスケットですけれど」
「昔の外の世界での海賊のパンはである」
これはチェーチ船長が聞いたお話です、それでご自身はその目で見た訳ではないです。それでも言うのです。
「航海中で石みたいに固くなってである」
「石みたいにですか」
「パンがですか」
「そうなるんですか」
「それって凄いですね」
「パンが石みたいになるって」
「それはまた」
「そしてである」
まさにというのです。
「パンに蛆が涌くというである」
「そんなの食べられないですよ」
「蛆まで涌くなんて」
「もう捨てるしかないです」
「それはないですよ」
「どれだけ不潔か」
「他に食べるものがなくてである」
それでというのです。
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