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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第三十話 桜花
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すが、この家に来てからのあなた方のことを良く見てきたつもりです。ソウさんは気付いていなかったかもしれませんが、テーラさんと話す時のソウはとても優しいお顔をしていたんですよ…ソウさん、あなたはテーラさんをどう思っているんですか?」

「それは…家族…のような物だろう…それに俺個人のことであいつらを…」

「ソウさん、厳しい言い方かもしれませんが、GV達を理由にしてテーラさんから逃げないで下さい」

「逃げているだと…?」

表情が険しくなるソウさんですが、私も退けません。

何故かは分かりませんが、今のうち何とかしないと手遅れになりそうだと思ったからです。

「ソウさん、あなたは1人の男性としてテーラさんをどう思っているのですか?テーラさんはあなたをエデンに誘おうとしたのでしょう?あなたに自分の傍にいて欲しいって…テーラさんはあなたのことを良く知っていたのに…GV達を置いていけないことを…そんなテーラさんが勇気を出したのに肝心のあなたが逃げるなんて不誠実だと思います」

これだけはテーラさんと同じ女の子としてソウさんに伝えなければならないと思ったんです。

「テーラさんがこの家にいたのは短かったですが、私は見たんです。あなたと一緒にいる時のテーラさんの穏やかで幸せそうな表情を。あなたが大好きと言う気持ちが駄々漏れで愛らしかったです。」

日常生活が難なく送れるくらいに回復するまでソウさんを付きっきりで看病したり、最初は警戒していた私に頼んでまで台所を使って好物の甘いお菓子を作ったりと、ソウさんへの好意を隠そうともしない姿に私は微笑ましく、愛らしく感じていました。

「ソウさん…テーラさんから逃げないで下さい…」

「……………分からないんだ」

「………」

少しの沈黙の後にソウさんは話してくれました。

「俺は皇神の施設で生を受けた。だから物心つく前から扱いはまともではなかったし、紅き雷霆の能力を得てからの毎日は地獄だった。それでも生きてきたのは奴らへの復讐のためだった。フェザーに拾われてからも無能力者への憎悪と皇神への復讐だけで生きてきた。後はGVのことだけを考えていれば周りなど基本的にどうでも良かったんだ…だが、シアンとテーラと出会って、一緒に暮らして…段々と…不思議な気持ちを抱くようになった」

「楽しかったんですね…幸せを感じられるくらいに」

「恐らく…な…特にテーラとは、あの件以来気になるようになり…妙な…嫌ではない気分になることが多くなった。この気持ちが何なのか…分からない…」

昔、辛い経験をしたソウさんは他人との繋がりに無関心になり、基本的に友好的な間柄の人はいなかったようなので、こういう人と接することで芽生える感情が理解出来ないのかもしれません。

「大丈夫です。それ
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