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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
第四十四話「天央祭・X」
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「さて、これでもうお前の仲間は全て墜ちたな」

「くっ!まだヨ!」

「この状況で何が出来るんと言うんだ?」

彼女によってアイアンクローを決められているジェシカはその様に吼えるが彼女はただ呆れと関心を抱くのみだった。

下方、天宮スクエアの一号館では来禅高校のライブが既に始まっているのだろう。ここまで音楽は聞こえてくる事は無いがそれでも盛り上がりは伝わってくる。残念な事に今どんな演奏が行われているのかは分からない。

「味方の魔術師は全滅、〈バンダースナッチ〉?とか言う鉄くずも皆破壊された今貴様に出来る事など…っ!」

彼女はジェシカを離し後方に大きく飛びのいた。瞬間、先程で彼女がいた場所を極太のレーザーが通り抜ける。そのレーザーはホワイト・リコリスの主砲に似ているが色は違っていた。

「一体何が…っ!?」

彼女はその存在をみて驚く。そこにいたのはホワイト・リコリス、に似た機体だった。全体はホワイト・リコリスと違い真っ赤でありさしずめ〈スカーレット・リコリス〉とも言える機体であった。

そしてそこに乗っている人物を見て更に驚く。二十代くらい、黒い短髪の男性(・・)であった。別に魔術師が女性しかなれないわけではない。しかし、その男性は本来なら決して戦場になど出てこない人物であった。

「…ふむ、予想以上にこの機体(スカーレット・リコリス)は扱いづらいな。改良の余地あり、か」

その男は自らの手を閉じたり握ったりを繰り返していたがやがて彼女たちの方に視線を向ける。

「悪いが内の社員は返してもらうぜ」

そう言う男の下では機体の随意領域(テリトリー)に包まれて落ちていくジェシカの姿があった。彼女はそれを忌々しそうに見ながら男を油断なく見る。ワイシャツに紺色のズボン、膝まで届く白衣を着た男はどう見ても研究者と言う出で立ちであった。

「…ああ、自己紹介がまだだったな。俺はクラーク・リトルトン。DEM社技術開発部の最高責任者だ。よろしくな鳶一折紙一曹に精霊【SS】」

「DEM社?」

折紙はそんな重要人物が何でここにと疑問を持つも決して油断することなく主砲を向け何時でも攻撃できるようにする。彼女もMG42をリロードしクラークへと向けた。

そんな二人の行動にやれやれとばかりに肩をすくめる。

「おいおい、俺に戦闘の意志はないぜ。最初にいった通り社員の救出に来ただけだからな」

「それならそんなものを持ちだしたりしない」

「全くだな。そんな重火器を持ちだされては戦争をしましょうと言っているようにしか見えないけど?」

クラークの言葉に折紙と彼女は真っ向から否定する。二人は知らないが〈スカーレット・リコリス〉はホワイト・リコリスと並ぶ最強の欠陥兵器であり三十分で搭乗者を廃人
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