第四十四話「天央祭・X」
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にしていた。とは言えそれだけの火力は持っており理論値で言えば精霊すら殺しきれる代物だった。
流石に〈スカーレット・リコリス〉については知らなくてもホワイト・リコリスと同じ機体であることは分かる。そんなものを持ちだし更には外したとはいえ一度砲撃をしていた。
「…確かに少し過剰戦力だったことは認めよう。だが、こうでもしないと戦闘になった場合無事に逃げられる確率はゼロに等しかったのでね」
精霊の中でも上位に位置する最悪の精霊である【SS】と精霊を理論上殺すことが出来るホワイト・リコリスを装備した鳶一折紙。しかも折紙はどういう訳か活動限界が近いはずなのに問題なく動かしている。
そんな彼女達に普通のCR-ユニットで立ち向かう程クラークは自分の力に自信を持っている訳でも無謀なわけでもなかった。
「…さて、私もそろそろお暇させてもらおうか」
「させると思っているのか?」
クラークの言葉に彼女はMG42の銃口を向けるが瞬間クラークが乗る〈スカーレット・リコリス〉から大量のミサイルが放たれる。
突然の攻撃であったが彼女と折紙は冷静に対処しミサイルを全て撃ち落とす。しかし、破壊されたミサイルは爆発と共に白い煙を周囲へとまき散らした。突然の事態に彼女と折紙は一瞬硬直するも直ぐに更に上空へと飛ぶ事で煙幕の外へと逃れる。
煙幕はかなり広範囲へとまき散らされたため煙幕の外へ出るのに少しの時間がかかってしまう。その間にクラークは撤退したようで周囲には影1つ見えなかった。
「逃げられたか」
「…っ」
折紙の方も同じらしく眉を顰めている。取り合えずではあるがDEM社の襲撃は無事防ぎきる事に成功していた。
しかし、事態はこれで終わりではなかった。
「…何の真似だ、鳶一折紙?」
折紙の乗るホワイト・リコリスの主砲が彼女へと向けられていたからである。
「…」
彼女の問いに折紙は何も答えず主砲のレーザーを発射した。瞬間、彼女の体は緑の閃光に包まれた。
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