酔っ払い、ヤンに愚痴る
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令部が承認し国防委員会が正式に決定したものだ。外野が何を言おうが変わらんから安心しろ。だからな、ヤン、今回もお前さんの力が必要なんだ。よろしく頼む!」
グレゴリーはそう言うと頭を下げた。
「まあ、出来る限りのことはさせてもらいますよ。私としてもユリアンを置いて死ぬつもりはありませんからね。」
「そうか・・・ありがとう。」
彼らが会話を終えると見計らったかのようにユリアンが入ってきた。
「グレゴリーさん!アンドレイさんが迎えに来ましたよ!」
「おお、もうそんな時間か。それでは帰るとしよう。ユリアン君、いつもありがとうね。」
「いやいやこちらこそ。またいらしてくださいね。」
「ああ、楽しみにしてるよ。ヤン!ユリアン君!また会おうな!」
グレゴリーはそう言うと弟のアンドレイが運転する車に乗り込んだ。
この数日後、同盟軍はハイネセンを出撃、アスターテ星域で帝国軍と激突した。戦況は包囲しようと分散していた同盟軍に対し、帝国軍が各個撃破を試み第4艦隊を撃破、帝国軍が優勢になる。しかし合流に成功した第2・第6艦隊による背後からの奇襲に遭い戦況が逆転する。しかし、不幸にも流れ弾が第6艦隊旗艦ペルガモンに直撃しムーア中将が負傷、戦況が押し戻される。その後は消耗戦になるも、ヤン准将の発案により別動隊をイゼルローン回廊に向かわせ、出入口の封鎖を行うふりをさせる。それに動揺した帝国軍が撤退、同盟軍も撤退に移り、アスターテ会戦は終了した。
同盟軍の被害は、第4艦隊が壊滅しパストーレ中将が戦死、第6艦隊が3割の損害で済むもムーア中将が重傷を負い予備役編入となった。第2艦隊は1割の損害で済み、また撤退戦における功績を認められたヤン准将は少将に昇進することになった。
アスターテ会戦は同盟軍が帝国軍にそれなりの損害を与え、追い払ったという意味では同盟軍の勝利といえるが第4艦隊の壊滅という大きな損害を払っており、これまで通り実質敗北といえるだろう。
しかし、実情を知っている者たちにとってはこの程度の損害で済んで安堵したことも事実なのである。
この結果が今後どのような影響を与えるか、それは誰にもわからないのだ。
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