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娘と七面鳥
第二章

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「だから」
「その引っ込み思案がよくないんだよ」
「時には遊ぶこともいいよ」
「それも人生の勉強になるから」
「まあ僕達が出すものは時間になったら消えてね」
「その時間までに出したものを僕達に返して欲しいよ」
「さもないと僕達はここから去らないといけないから」
 七面鳥達はこのことも話しました。
「これは約束だからね」
「生きものが出したものは決められた時間までに返さないと駄目なんだ」
「返さないと貸した生きものはその人と二度と会ってはいけない」
「だから私達はその時はここを去らないといけないの」
「お祭りで遊んでも時間までにここに帰ってきてね」
「そして服や飾りを返してね」
「ええ、その時間は何時なの?」
 虹は七面鳥達にその時間を尋ねました。
「それじゃあ」
「お月様がお空の一番上に上がるまでだよ」
「その時までにここに帰ってきてね」
 七面鳥達が今いる柵の中にというのです。
「そうしてね」
「その時まで待ってるから」
「絶対にだよ」
 こう言ってです、虹の前に奇麗な服と見事な飾りものを出してあげました。虹は七面鳥達の言葉を聞いてそれならと思ってです。
 その服を着て身体中に飾りものを付けてです、絶対にお月様がお空の一番上に登るまでに帰ってくると約束しました。
 そうしてお祭りに出てでした、強風の前に出て二人で歌って踊りました。そして背が高くてとても整った顔立ちの若者に言われました。
「虹は歌と踊りがとても上手だね」
「有り難う、そう言ってくれるのね」
「本当のことだからね、じゃあ今日はね」
「ええ、一緒にね」
 歌って踊ろうと約束してでした、実際に一緒に心ゆくまで歌って踊りました。ですがその中で時間は過ぎていって。
 そしてでした、ふとです。
 虹の目に夜空が映りました、見ればもうお月様は間もなくお空の一番上に辿り着こうとしています、それを見てでした。
 虹は慌てて歌と踊りを止めて強風に言いました。
「もうお家に帰る」
「まだお祭りは続くのに」
「それでも今日はこれで」
 こう言ってでした、虹は強風と別れてです。
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