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嘘と真実の結末
第二章

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「ここはだ」
「ここはというと」
「少し身を潜めてだ」
 そのうえでというのだ。
「この話の経緯を見た方がいい」
「どういうことだ」
「お前がそんなことをしようと考えるなぞだ」 
 それこそというのだ。
「有り得ない」
「そうだ、だからだ」
「私は釈明に行くが」
「しかしそこでお前は捕らわれるぞ」
「潔白なら捕らえられても問題ない、スルタンにお話すれば」
 聡明な彼ならというのだ。
「わかって頂ける」
「宮廷の廷臣の誰もがな、だが捕まること自体がだ」
 それがというのだ。
「恥だ、お前程の者が恥をかくことはだ」
「それはか」
「あまりだ」
 どうにもというのだ。
「忍びない、だから暫くここに隠れてだ」
「そのうえでか」
「そうだ、ことの次第を見ろ。どうせ出どころは噂だ」
「噂か」
「噂は突然出て来て急に広まるが」
 噂はどんなものかもだ、バンダハラは話した。
「しかし根も葉もない噂ならだ」
「それならか」
「すぐに真偽がはっきりしてだ」
 そうなってというのだ。
「消える、だからだ」
「今はか」
「ここに隠れていろ」
「お前の家にか」
「私が匿う、適当なことを言ってだ」
 そうしてというのだ。
「お前は逃げただの言っておく、ここに取り調べの者が来てもな」
「そうしてくれるのか」
「どうせこの国一番の勇者のお前を除こうという他国が流した噂だ」
「謀略か」
「それも他愛のないな、だからだ」
「噂が嘘だとわかってか」
「その後出どころがわかってきてだ」
 そうなってというのだ。
「お前は出ればいい、潔白でも捕まる様な恥をかかずにだ」
「それでか」
「そのうえでか」
「そうだ、だからだ」
 今はというのだ。
「ここにいろ」
「お前が匿ってくれるのか」
「そして時を待つべきだ」
 こう言ってだ、バンダハラはハントゥアを彼の家に匿っていた。そうして数日が過ぎたがその間にだった。
 今度はハントゥアが捕まって即座に処刑されたという噂が出て来た、それでだった。
 国中大騒ぎになった、そして。
 その話が出てすぐにだ、王宮に雪崩れ込む者が出て来た。
「スルタン、大変です」
「宮中にハン=ジュバ様が来られました」
「その手に刀があります」
「そして凄い剣幕で、です」
「何故ハントゥア殿を処刑したとです」
「そう叫んでいます」
「馬鹿な、そんなことはしていないぞ」
 スルタンは玉座から顔を顰めさせて言った。
「余は。そもそもまだ捕らえてもいない」
「ですがどうもです」
「誤解してか」
「スルタンにお聞きしたいとです」
「何故ハントゥアを処刑したとか」
「そう言われて宮中に押し入って」
 そうしてというのだ。
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