第二章
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「貴方様の評判も聞いていて今お会いしてです」
「その評判がですか」
「事実とわかりましたので」
フルグチョン本人とお話してというのです。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい、是非」
まさにというのです。
「お願いします」
「それでは」
三人に心から頼まれてです、フルグチョンは頷きました。そうして魔物を倒して下の娘を奥さんにすることを約束しました。実はフルグチョンも下の娘を見て気になっていてそこから二人はすぐに両想いにもなりました。
ですがフルグチョンは下の国魔物の国であるその国から来るという魔物の勇者のことを村の人達から聞きました。
「とんでもなく大きくて強いらしいぞ」
「どんな獣も人も何なく倒してしまうそうだ」
「その目は千里先が見えて一日で三千里を走るらしい」
「そしてどんな刀や矢も身体を通さないらしい」
「まさに無敵らしい」
そうした恐ろしい魔物だというのです、ですが。
フルグチョンは落ち着いてです、村の人達に言うのでした。
「それでも倒せるさ」
「大丈夫かい?」
「あんたは確かに強いけれどな」
「今度の敵は強いぞ」
「これまでの相手とは違うんじゃないか」
「幾ら強くても」
「大丈夫だよ、どんな生きものでも弱点はあるから」
こう言ってです、フルグチョンだけはにこにことしていました、そうして魔物の勇者が来るのを待っていました。
すると暫くして魔物の勇者が夜明けの太陽の下の娘を手に入れてにエベンキ族のところに来ました、このことはすぐにフルグチョンの耳にも入ってです。
彼はすぐに魔物の勇者のところに来てです、彼の前に立って言いました。
「待て、彼女はお前と結婚をしたくないと言っている」
「それがどうした、俺はあの娘を妻にするのだ」
魔物の勇者は噂通りとても大きな身体を持っています、そして燃え盛る身体と恐ろしいお顔です。服も炎も紅蓮に燃えています。
その彼を見てです、フルグチョンもかなり強いと思いました。ですがそれでもです。
フルグチョンは恐れることなくです、魔物の勇者に言うのでした。
「また言うが彼女はお前と結婚したくない」
「あの娘の考えを尊重しろというのか」
「そうだ、だからここは立ち去れ」
そして自分の国に帰れというのです。
「わかったな」
「その様な言葉を聞いていられるものか」
魔物の勇者はこう言ってその手に火の玉を出してでした。
フルグチョンに次々と投げつけてきます、ですがフルグチョンも負けていません。
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