第一章
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魔物を退治してから
シベリアのエベンキ族に伝わるお話です。
中の国という国にフルグチョンという若者がいました、母親一人子供一人の家庭でしたが何と生まれて三日目で弓矢を使える様になってです。
すぐにトナカイを三頭も仕留めてしまいました、このことに国の誰もが驚きました。
「これは凄いぞ」
「生まれて三日目で弓矢を使ったぞ」
「しかもその日のうちにトナカイを三頭も仕留めたぞ」
「こんな凄い奴が出て来るなんて」
「凄いことだぞ」
こう言ってフルグチョンを褒め称えました、フルグチョンは生まれてすぐに国で一番の弓使いとして知られる様になりました。
狩りをすればどんな獣も仕留めてしまい戦になればどんな敵もやっつけてしまいます、矢は決して外れることなく相手の急所を確実に射貫いてしまいます。
大人になった頃にはとても背が高く逞しい身体にきりっとした顔立ちのとても格好いい姿になっていました。そしてとても勇敢でかつ心優しい性格にもなっていました。
その強さと勇気、優しさはエベンキ族の間で評判になっていて部族の他の村でも知らない人はいない程でした。
そのフルグチョンのところにです、ある日とても奇麗な娘さんが三人来ました。娘さん達はフルグチョンとお互いに挨拶するとこうお話しました。
「私達は夜明けの太陽の娘です」
「三人共です」
「母も同じです」
「そうですか、それで」
ウルグチョンは娘さん達をもてなしつつです、娘さん達に尋ねました。
「この度は何故」
「貴方のところに来られたか」
「そのことですね」
「そのことをお聞きしたいのですね」
「貴方達のことは聞きましたが」
それでもというのだ。
「何故僕のところに来たか」
「はい、そのことですが」
「実は貴方にお願いがありまして」
「それで参りました」
三人でこう答えます、そしてです。
そのうちの二人がです、こう言いました。
「私は上の娘です」
「私は真ん中の娘です」
夜明けの太陽の三人の娘の中で、です。
「私達は既に夫がいます」
「そして幸せに暮らしていますが」
「私はまだ結婚していません」
下の娘も言ってきました、見れば三人共とてもよく似ていて整った顔立ちをしていますが下の娘が一番幼い外見です。大人ですがまだ幼さが残っている感じです。
「それでなのです」
「下の国、南に魔物がいますが」
「その魔物の国からです」
二人のお姉さん達がここでまたお話します。
「魔物の中でも強い者がいまして」
「その者が妹を妻にと言っているのです」
「ですが父も母もそれは嫌だと言われ」
「私達も村の者達も同じです」
そうした状況だというのです。
「それで、です」
「この度部族一の勇者であられる貴方様に
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