第一章
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彼女は狼少女
橋本勇気は高校生になって遂に彼女が出来た、彼女の名前は後藤すみれという。
白系ロシア人の血が入っていて白い肌と大きな目に紅の唇が印象的な顔をしている、黒髪を奇麗な姫カットにしていて胸が大きく背は一六〇位だがその胸の大きさが目立っていてスタイルはいい。
趣味は読書と音楽鑑賞であり部活は文芸部だ、勇気は吹奏楽部で部活が違うのだが同じクラスという縁でよく話しているうちに自然と交際する様になった。
そのすみれにだ、勇気は夕方一緒に下校している時にこんなことを言われた。
「私満月は苦手なんですよ」
「満月が?」
「はい、満月を見ていると」
そうしていると、というのだ。
「我慢しないといけないので」
「我慢?」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「苦手なんですよ」
「満月で我慢?」
勇気はそう言われて首を傾げさせた、優しい感じの一重の目の上に短めの太い眉がある。面長で穏やかな口元であり黒髪を七三にしている。せは一七〇程ですらりとしたスタイルがコバルトブルーのブレザーの制服に似合っている。制服のネクタイは赤でブラウスは白だ。ズボンとスカートの色はダークグレーでありすみれのスカートの丈は今時の女子高生の制服らしくかなり短いものになっている。
「どういうこと?」
「それは」
ここでだ、すみれは口ごもった。そうして少し考えてから勇気に言った。
「言えないですが」
「言えないって」
「個人的な理由で」
それでというのだ。
「申し訳ないですが」
「満月に何かあるのかな」
「体質で」
「体質?」
「はい、それでなんです」
「よくわからないけれど」
「他の時は何もなくて満月でも曇りや雨なら」
つまり夜空に満月が出ないと、というのだ。
「それで満月の光を浴びないと」
「大丈夫なんだ」
「そうなんです、新月の時は全く平気で三日月や半月でも大丈夫ですが」
それでもというのだ。
「満月が近いと危なくなって」
「それで満月の時はなんだ」
「本当に危ないです」
そうなるというのだ。
「別に牛丼や月見うどんの卵を見て平気ですが」
「丸いものを見てもかな、黄色い」
「平気です」
「それじゃあ何か」
ここまで聞いてだ、勇気はどうにもという顔で言った。
「狼男みたいだね、女の子だけれど」
「えっ、何でわかったんですか?」
すみれは勇気の今の言葉に驚いた顔を向けた。
「私がワーウルフだって」
「えっ、本当!?」
今度は逆に勇気が驚いた顔になった、そのうえですみれに顔を向けた。
「すみれちゃん狼男なんだ」
「女の子ですから」
「じゃあ狼女かな」
「実はそうなんです」
「嘘じゃないよね」
「嘘でこんなこと言います?」
「
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