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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
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劇を、ルシルさんと一緒に観られるなんて幸せすぎる。隣に座るルシルさんと手を重ね、私は舞台上で繰り広げられる恋愛劇に、「ぐすっ、ぇぐ・・・」感情移入してしまって思わず涙。1人の男性を巡って争う3人の少女。境遇などが今の私、イリス、はやて、そしてルシルさんみたいで、私に似た、最後に彼と出会う少女の敗北が演じられた。
「はぅ〜」
ハンカチがもう涙でぐしょぐしょに。するとルシルさんが、「ほら」自分のハンカチを差し出してくれたから、「あ゛り゛がとう゛〜!」お礼を言って受け取り、涙を拭いつつポケットティッシュで鼻をかむ。
結局、舞台の2時間半の後半はずっと泣きっぱなしだった私は、ルシルさんに肩を抱かれながらシュピール大広場を出る。ちなみに他の女性のお客さんも目を赤く晴らしている。それほどまでに胸に来る恋愛劇だった。
「すみ゛ません゛、ルシルさん」
「気にしないでくれ」
「ちょっとお手洗いでお化粧を直してきますね」
「ああ。じゃあそこのベンチで待ってるよ」
ルシルさんを待たせ、お手洗いの鏡で化粧直し。ついでに用を足して、ルシルさんの元へと戻る。ベンチに足を組んで座って、パンフレットを眺めているルシルさんの格好良さにまた、きゅん?となった。
「お待たせしました」
「全然待っていないよ。ところでトリシュ。次の行き先なんだが、ヒュムネ教会に行ってみないか?」
「ヒュムネ教会・・・、あっ、はい! 行きましょう!」
ルシルさんの提案にパンフレットの内容を脳裏に浮かべて、ヒュムネ教会での催し内容を思い出す。ルシルさんの手を取って、ヒュムネ教会へと向かう。
「あ、間に合ったようですね」
「ああ。ザンクト・ヒルデ魔法学院生徒による賛美歌斉唱。チャリティーだから寄付も出来るから、期間中に寄って行こうと思っていたんだ」
シスターの弾くパイプオルガンの伴奏に合わせて、祭壇前に並んで聖王教の賛美歌を歌う生徒たちを、長椅子に座って眺める。
「さすがにフォルセティやヴィヴィオ達は居ませんね」
「各地の教会で行われているからな〜」
斉唱が終わり、私とルシルさん、他のお客さんは、教会を出る際に募金箱に財布から取り出したお金を入れてから出る。
「回れるのもあと1ヵ所くらいか。どこに行こうか」
「えっと、じゃあ・・・。今日の思い出として、1つ買って頂きたい物が・・・」
「そうか、判った。行こう」
ショッピングの際に服や小物などを決めて貰おうかと企んではいたけれど、今日はある物だけをプレゼントしてほしい。物をねだるというのにルシルさんは快諾してくれて、「店はどこ?」パンフレットを開いた。
「はい。えっと・・・この宝玉工房というお店です。そこを最後にするので、マクティーラに乗って
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