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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
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めておいたこと。
「お待たせしましたー!」
店員さん達が料理を運んできてくれた。お礼を言い、「いただきます!」と早速いただく。一口目が共にお肉で、ナイフで切り分けた一切れを口に入れる。
「美味しい!」「美味い!」
さすが自治領内でも指折りのお店、すごく美味しい。美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、パンフレットを広げて次の行き先を決める中、ふと、「ルシルさん。あーん」してみたくなり、フォークに刺したお肉一切れを差し出した。
「とても美味しいですよ? 一口どうぞ♪」
「え? あ、いや、皿を少しこちらに寄越してもらえば、自分のフォークで――」
「あーん♪」
フォークを突き出したままで居ると、ルシルさんは観念して「あーん」食べてくれた。ちょっと無理やりな間接キスに、少しのごめんなさいと、多分の嬉しさ。ルシルさんからのあーんは期待できないから食事を続けようとしたら、「ほら、トリシュ」と、お肉を刺したフォークを私の前に差し出してくれた。
「え、あ、え?」
「どうした? ほら、あーん」
まさかのお返しに顔が熱くなる。ドキドキしながら「あーん」口を開けて、お肉を食べようとしたけれど、ルシルさんはサッとフォークを引いた。だから私の閉じた口の中にお肉は入らなかった。
「もう、ルシルさん!」
「あははは! てっきりトリシュがしてくると思っていたんだが、こちらから仕掛けさせてもらったよ。じゃあ改めて、あーん」
少し警戒しつつ、差し出されたお肉を「あーん」パクッと頂く。ルシルさんが頼んだ料理もとっても美味しく、「ん〜〜〜♪」頬が緩んでしまう。それから談笑しながらの食事を終えた私とルシルさんは「ごちそうさまでした」お店を出て、次の目的地である演劇舞台のあるシュピール大広場へバスで向かう。
「また私の行きたいところで良かったんですか? ルシルさんの行きたい場所にも行ってみたいです」
「トリシュと2人で同じ時間を過ごすのに意味があると思うし、何よりすでに古書店という目的も済んでいるから。トリシュの行きたいところに付き合うよ」
「ルシルさん・・・」
ほらまた、キュン?ときた。えへへ、とご機嫌になった私と、窓から外を眺めるルシルさんは、目的のシュピール大広場へとやって来た。ここはCのような形をした広場で、段々畑のような観客席があり、中央に円形の舞台。自治領の各地にある学院や企業の演劇部もたびたび使用している。
「今週の演目は、管理世界屈指の劇団メビウスリングの演じる一大恋愛劇、恋人達の旅路。私、1度でいいので生で観たかったんです」
「へぇ。どれどれ。複数組の恋人たちの群像劇か」
「書籍化はもちろん、ドラマや映画にもなった演目で、その原題がこの劇なんです」
そんな大好きな
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