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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
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ルシルさんはすでに会計を済ませているようで、両手に厚い紙袋を4つと携えていた。私もお会計を済まし、すぐ近くの配送業者の元へ。ルシルさんは、数冊を八神邸の住所に、残り二十数冊をシュテルンベルク邸の住所に指定した。私も一緒に自宅への配送を依頼。自分の書物もシュテルンベルク邸に配送されるからと、配送料はルシルさん持ちということになった。

「本当に良かったんですか? サービス増し増しでかなり配送量が高くなりましたけど・・・」

「さすがに40万オーバーの会計を見た後、君にさらにお金を払わせたくなかった。・・・騎士団の運営が少し厳しいという話はシャルから聞いているよ。大隊が拉致して利用した局員やご家族への報償などで、騎士への給料が何割かカットされていると」

「あ・・・はい」

「だからその書物の支払いも、俺に変更し――」

「それだけはダメです! 額が大き過ぎるし、何より自分自身のための買い物ですから」

そこだけは譲れない。小さく「そうか」と頷くルシルさんの手を取り、「お昼にしましょう!」手を引っ張ってカッツェ大広場より出て、お昼ご飯を頂ける店を探す。

「ルシルさんは何かリクエストとかあります?」

「思った以上に空腹になってしまったからな」

「ですね。私も空いちゃいました」

ルシルさんの開いたパンフレットを顔を寄せ合って見る。食べ物の露店も数多く出店されていて、プロ級から修行に来ているアマチュアの料理人が、キッチンカーで赴いて腕を振るっている。

「ではコッヘン大広場へ行きましょう。あそこは料理(コッヘン)の名前のとおりの料理店が並ぶ激戦区です。連なるコッヘン・シュトラーセには、外部から来た料理人の露店があります」

「むぅ、どこも美味しそうな料理を出しているな〜」

「迷いますね〜」

パンフレットに載っている露店の紹介欄を眺めつつ、どうせなら普段はここで食べられない外部からの露店を、という結論に達し、美味しいお肉が頂けるお店を目指した。
店に着いてみれば、すでにお昼時を過ぎていたことでお客さんも疎らで、すんなりと注文順が回ってきた。

「俺は、シュヴァイネブラーテン、付け合わせはクヌーデル。あとはカートッフェルズッペを」

ルシルさんは豚肉をローストした肉料理と、ジャガイモを団子状に丸めたクヌーデル、そしてジャガイモのスープ。

「それじゃあ私は、リンダールーラーデンとクヌーデル。ケーゼシュペッツレに、あとグラーシュを」

薄切り牛肉にベーコンと玉ねぎを乗せて巻き、煮込んだ肉料理と、細長く伸ばしたパスタにチーズをかけて焼いた麺料理、それに柔らかお肉と野菜のスープ。
まずはガッツリ食べずに、胃に空きを開けておく。足りなければまた別のお店で、ということはここに来るまでの道中で決
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