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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
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が、「さ、トリシュ」右手を差し出してくれたから、「はい!」その手を取った。ちゃんと自分が車道側になるような立ち位置なルシルさんに感嘆しつつ、私たちは歩き出した。
「そういえば、オランジェ・ロドデンドロンの解体とパラディンの昇格試験が来週に行われると、シャルから聞いたけど・・・」
「はい。私とアンジェと騎士フィレスが、弓、打撃、剣のパラディンを目指します。槍、拳闘、鎌、斧、騎乗ですが、まず兄が再びシュペーアパラディンになることを決めました」
元フライハイト家の女中長を勤めていましたプリアムス義姉様との結婚、そして子供(私から見て甥っ子で、エメラウスという名だ)が生まれたことで、パラディンの称号の返上と同時にズィルバーン・ローゼから除隊をした兄様。
「パーシヴァルが? プリアムスさんは、それを許したのか?」
「義姉様が提案したみたいで。今は少しでも騎士団のために頑張って、と」
「残りは・・・?」
「他は、ルシルさんの知らない人ばかりですね」
「そうか。応援に行ければいいんだが・・・」
「大丈夫です。そのお気持ちだけで――」
そこまで言いかけたところで、きゅぅ〜、と私のお腹が盛大に鳴った。耳まで赤くなるのを自覚できる。お腹を両手で押さえ、恥ずかしさのあまりに俯く。
「朝、何も食べていないのか・・・?」
「えっと・・・はい。恥ずかしながら服装や髪型を決めるのに思った以上に時間が掛かり、軽めに済ませたんです」
今晩、ルシルさんを自宅の夕食に誘うため、下ごしらえをしていた料理の味見だけでの朝食だった。クラリスほどではないけれど、割と食べる私には少々物足りない朝食だった。こんな恥ずかしい思いをするなら早く家を出ずに、もっと何かお腹に入れて置けば良かったと後悔。
「露店もあるから、そこで何か食べよう」
「うぅ、ごめんなさい」
手軽に頂ける露店を巡り、「あ、シュニッツェルがありますよ!」と、ルシルさんの手を引いて露店の前へ。家族、恋人、友人、いろいろなお客さんが数多くの露店の前に並び、割とすぐに買えそうな露店、シュニッツェル屋さんへ並ぶ。
「ルシルさんはいくつ食べます?」
「んー、朝食は済ませているんだが。ここで食べないのもなんかもったいない。ソース味を1つ貰うよ」
「判りました。あ、ここは私が出します。個人的な食事なので」
財布を取り出そうとしていたルシルさんをそう制し、「あ、シュニッツェルサンドを、塩コショウ、チリパウダー、ソースの3つくださいな」指を3本立てる。そして「まいどありー!」店主さんから紙袋に包まれたシュニッツェルサンドを、代金と交換して受け取る。
「どうぞ」
「ありがとう。いただきます。・・・うん、美味い」
「いただきます
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