暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
[11/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
シルさんだけですよ?」
2人きりになるように事前に仕組んでいた我が家にルシルさんを招き入れた。私と2人きりという事実にルシルさんは「そうか。じゃあ夕食の仕上げは、俺と2人でやるんだよな?」焦る仕草もなく、キッチンのある方へと歩き出した。
「(判ってはいても、少しショックです・・・)あとは温めるだけなので、ルシルさんはダイニングで待っていただいても・・・」
「ん? 一緒にやった方が早く済むだろ? それにその方が楽しい」
ルシルさんとの共同作業と言う甘美な言葉に「ぜひ手伝ってください!」何度も頷いた。洗面台でうがい手洗いを入念に行い、キッチンへと入る。クラムチャウダーや野菜スティック、そして主食の「ピザを焼きます」と、後は焼くだけなピザ2枚をオーブンに入れる。
「結構本格的なピザだったな。一から作ったのか?」
「もちろん! イリスの影響で料理に目覚めてからというもの、かなりのレパートリーを増やしたんですよ♪」
ピザは5分ほどで焼け、ダイニングテーブルに皿を並べて「いただきます」をする。ルシルさんが料理を口に運ぶのをチラチラと見る。パクッと口に含んで味わったルシルさんは「うん、美味い!」パァッと表情を輝かせてくれた。
「本当ですか・・・?」
「ああ、本当だよ! ピザもクラムチャウダーも、店で出されてもおかしくないレベルだよ!」
本当に美味しそうに食べてくれるルシルさんに心底ホッとした。私も遅れて自作の料理を口に運んで、「うん、我ながら悪くない」うんうん頷く。自分の料理に舌鼓を打ちながらルシルさんと談笑して、「ごちそうさま」手を合わせた。そして片付けも2人で済ませて、食後のお茶で一服。
「ふぅ。・・・ルシルさん」
「ん〜?」
「今日のデート、私に何か言うためにしてくれたんですよね・・・?」
先日、私たちはルシルさんから“セインテストの秘密”を教えられた。歴代セインテストは、初代のクローンであり、“エグリゴリ”の全滅はセインテストの終わりを示す、と。つまりはルシルさんに残された時間は、多く見積もっても3年も無いということを・・・。
(私やイリス、はやてからの告白の返事をするための、最後のデート・・・じゃないかと考えていた)
「・・・ああ」
ルシルさんの表情が一気に曇った。だから「判りました! ルシルさんへの愛の告白を撤回します!」先手を打つ。振られるんじゃなくて、なかったことにする。決意はしていたのに涙が溢れてくる。でも零れないように必死に頑張るけど、次第に涙は頬を伝い、嗚咽が漏れ出してしまう。
「〜〜〜〜っ! ごめん、ありがとう、トリシュ。こんな俺のために、ありがとう・・・」
私の側にまで来て、頭を撫でてくるルシルさん。あぁ、やっぱり好きだなぁ。
こう
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ