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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica55トリシュタンとルシリオン
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†††Sideトリシュタン†††
左手首に巻いた腕時計を見、待ち合わせ時間の9時まであと40分近くあることを確認。平日であり、8時20分という朝早いということもあるため、ここ自治領南区ウィンザインは最南区マクファーデンのヴェラーステーション前には、これから通勤・通学する人たちが出入りをしている。
(さすがに早く来すぎた・・・)
今日はさほど寒くはなく、風もそう強くない。だけれど肩に提げたポシェットから手鏡を出して、髪型が乱れていないかを改めてチェック。タートルネックニット、プリーツジャンパースカートにコート、サイドゴアブーツと、服装もバッチリ。
「この音・・・!」
そうして待ち合わせ時間まであと20分となったとき、本日の待ち合わせ相手である「ルシルさん」の愛車、リバーストライク・“マクティーラ”のエンジン音が遠くから聞こえてきたのが判った。顔を上げ、ロータリーへと目を向ける。
「トリシュ!?」
以前失ったサイドカーを新調した“マクティーラ”を、私の前で停車させたルシルさんが「おはよう、トリシュ。すまない、待たせてしまったよな・・・?」と、ヘルメットをわざわざ外して頭を下げた。
「いいえ。私が早く来すぎたんですから、気にしないでください。あの、今日はデートのお誘いをしていただいてありがとうございます」
そう。私は今日、ルシルさんとデートする約束をし、こうして待ち合わせをしていた。オランジェ・ロドデンドロンとして活動していた頃はもちろん、それ以前にも何度かルシルさんと2人きりで出掛けることはままあった。だけれどそれは、私からの誘いばかり。だからこうしてルシルさんから誘われるのは初めてだ。
「こちらこそ、受けてくれてありがとう。じゃあ行こうか」
180cmオーバーの身長に変身しているルシルさんが“マクティーラ”より降り、私の前にまで来てくれた。ただ、ルシルさんの様子に「足は大丈夫ですか?」と尋ねる。ルシルさんは、膝から下の機能を失ってしまっている。自力で歩行できるようになるには、アイリとユニゾンするか、もしくは魔導師化するかのどちらか。だから今のように自力で歩き、“マクティーラ”を運転するとなると、そのどちらかを行っていることになる。
「ああ。魔導師化しているよ。今日はトリシュとのデートだから、アイリはちゃんと家に置いてきた」
「そ、そうですか。それは・・・」
良かった、と心底安堵する。アイリのことは好きだけれど、ルシルさんとのデートの間には入ってほしくない、というのが本音だから。そんな私を見て、ルシルさんは小さく笑った後に「じゃあ改めて、行こうか」
「はい♪」
ルシルさんの手を取り、そのエスコートで私はサイドカーへと乗り込んで、ヘルメットを被る。大人っぽさと色っぽさを
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