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艦これ 恋愛短編
文月編
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が自分の太ももをポンポン、と叩いた。

 

「いま、ちょっと休んだ方がいいよ〜」

 

 天使だ。天使がそこにいる。心なしか後光も見える。この世には文月教なるものもあるらしいが、この笑顔なら、手を合わせてもいい。

 

「いや、さすがにそれは……ちょっと恥ずかしいというか……」

 

 提督のささやかな抵抗も、むなしく、文月は優しく提督の頭を持つと、自分の膝の上に置いた。

 

「大丈夫だよ〜。ここには私たちしかいないし〜」

 

 膝の上まで降りてきた提督の頭を、よしよし、と文月の手が撫でる。

 

「司令官は、よく頑張ってるよ〜。それは文月が一番よく知ってるんだから」

「文月……」

 

 ああ、なんてよくできた娘、いや、妻なんだ。

 

「文月」

「なあに? 司令官」

「ちょっと眠たいんだが、このまま寝てもいいか?」

「だめだよ。ちゃんとお布団に行かないと。風邪ひいちゃうよ」

「ちょっとだけだからさ」

「う〜ん。まあ、ちょっとだけなら……」

「……も〜。仕方ないな〜。ちょっとだけだよ?」

 
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