暁 〜小説投稿サイト〜
艦これ 恋愛短編
ZARA編
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、俺はひとまずポーラと座敷の片づけを鳳翔さんにお願いして、ザラをおぶって、イタリア艦寮を目指していた。

 

「全く。大事なところで寝やがって。俺の決意はどうしてくれるんだよ」

 

 背中でだらしなく寝るザラ。居酒屋へ行く前、執務室にいた、デキる姉のザラはいったいどこへ行ってしまったのか。いや、ある意味で、ポーラの「姉」であることを再確認したわけだが。

 

「……それでも、お前に幻滅しなかったことに、なんか安心したよ」

 

 俺はやっぱりザラのことが好きなようだ。しっかりものとか、酔っ払いとか、そんなところを全部ひっくるめてザラのことが好きだ。

 

「……ん〜、て〜とく……」

「……起きたか、ザラ」

 

 背中でもぞもぞと動く感覚。しかし返事はない。起きてはいないようだ。

 全くのんきなもんだ。

 

「……て〜とく〜、今日も勝ちましたよ〜。褒めてくださ〜い」

「はいはい、すごいすごい」

 

 寝ぼけたザラの声を背負って、俺はイタリア艦の入っている、海外艦寮を目指した。
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