ZARA編
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ラが、完全にイってしまっている。ついでに、先ほどまでザラからのワインを物珍しそうに飲んでいた隼鷹と千歳は、早々に潰れてしまった。
「……この鎮守府の酒豪トップ3がこんなにもあっさりと……」
俺も、酒にはかなり強いほうだと思う。が、目の前のイタリア艦の姉さまは、次元が違った。
「さすがはポーラの姉、といったところなのかな。……悪い意味で」
「て〜とく〜。ほらほら、ポーラとばっかり話してないで。呑んで呑んで〜」
いい笑顔。ここだけ切り取れば、好きな娘にお酌してもらっているという男の夢みたいな構図なんだがな。
「それじゃあ、提督〜。姉さまをお願いします〜」
ポーラはそれだけ言うと、もう一度ぱたんと倒れてしまった。この野郎、逃げやがった。
「まてまて、まださっきついでもらったやつが残ってるし」
「え〜、じゃあ早く飲んでよ〜。待っててあげるから」
美人が、酒で上気した顔で、にこにこしながらボトルを差し出してくる。可愛い。とっても可愛い。最も、そんなものは幻想で、直後に手に持ったワインボトルから、直接アルコールを摂取し始めるのだが。
「あれ〜、空っぽだ〜」
いや、今お前が飲み干したんだよ。ボトルに半分くらい残ってた、イタリアから送られてきた割といいワインを。
「次の開けなきゃ〜」
そういって、ザラは立ち上がると、座敷部屋の一角に置かれた木箱から、新たなボトルを取り出し始める。
「……持ち込みの本数、制限かけるかな。今度鳳翔さんに言っとこ」
両手でボトルを抱えて戻ってくるザラ。俺の目の前には先ほどから中身の減らないワイングラス。
「……そろそろ鳳翔さん呼ぼうかな」
すでに三人の被害者が出ている。千歳と隼鷹は、最悪、部屋にいるであろう姉妹艦を呼べば良いが、ザラとポーラ、両方が立てなくなると、俺一人で運ぶのは無理がある。酔っぱらったレアなザラが見られなくなるのは残念だが、背は腹には代えられない。さっさと鳳翔さんにつまみ代を払って撤収する口実を作った方がいい。
「鳳しょ……」
俺は、趣味でここの管理と営業をやっている鳳翔さんを呼ぼうと、外に顔を向けた
「どうしたんですかあ〜、て〜とく〜」
ところで、硬直した。いつの間にか、正面の席から離れたザラが、俺のすぐ隣に座っていた。
「ほらほら〜、お酒が減ってませんよ〜。いらないなら私が飲みまぁす」
そういうと、ザラは、俺のグラスを手に取ると、一気に飲み干した
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