瑞鶴編
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んだっけか、今日は」
「赤城さんの進水日記念のお祝い。そのプレゼントを提督さんと一緒に買ってきてほしい、って加賀さんに頼まれたの。提督さんのお休みとあってるのが私だったから」
「それで容赦なく俺の休みをつぶしたんだな……」
「いいじゃない、こんな可愛い子と繁華街デートだよ? 休みをつぶす価値はあると思うな〜」
わざとらしくクルッと回って見せる瑞鶴。長い髪が、フワッと広がった。
「あー、ハイハイ……ってお前その髪どうしたんだ」
「あ、やっと気が付いた。提督さん、そんなことだから彼女できないんだよ」
ニヤニヤしながら、瑞鶴が上目づかいに提督の顔を下から覗き込む。
普段は長い髪をツインテールにしている瑞鶴だが、今日は、それこそ回れば広がるように、一切止めずに背中の方に垂らしている。
「……なんか、翔鶴みてぇだな」
「そこで他の娘の名前出すのってどうなんだろ……まあ、そうね。……翔鶴姉が行けるんだから、私だって行けるでしょう、って思って。どう? 似合ってる?」
「あ、ああ、そうだな」
「なーに? 似合ってないの?」
「いや、何というか、にあってはいるんだがな、その、イメージがな」
「イメージ?」
「ほら、お前、前にも一回髪下ろしてただろ? レイテ作戦の時に」
レイテ作戦は、直近で行われた作戦の中では最も大規模といえるもので、艦娘「瑞鶴」としては、思い入れのある作戦でもあった。鎮守府で一番気合が入っていたといってもいい。その時の瑞鶴は髪を下ろし、陣羽織を来た姿で、提督に敵のボスへの突入に参加させろと迫ったのである。
「なんか、そんときのイメージで、どうにも、な。可愛いという感じじゃないんだよな」
「……えっ」
「あれは、なんていうか、カッコいいって感じだったからな」
「あ〜、あの時はちょっと……」
「だからなんか、髪下ろしてると決戦に臨む武士のイメージが取れなくてな……どうした、瑞鶴」
「……そんなことないもん。ちゃんと翔鶴姉にやってもらった、ちゃんとしたおしゃれなんだもん」
拗ねてしまった。ぷいっと横を向いて、むくれた、テンプレートのような拗ね方。艦娘に成長という概念はないが、姉の翔鶴と比べても、瑞鶴の精神年齢は低い。
「……おう、なんかすまん……行くか、そろそろ」
しかし、提督にそう言われると、不満げな顔をしながらも、ちゃんとついていく瑞鶴。この程度のことは鎮守府では割と日常茶飯事。本当に気分を害したのなら、相手が提督であれ、このじゃじゃ馬は艦載機をぶっ放してくる。
(やれやれ。翔鶴、とまでは言わんから、せめて大鳳くらい大人になってくれれば、秘書官に
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