第43話
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同日、14:00――――――
ヴァイス達による宣言が行われた二時間後、昼食を終えたリィンは仲間達の様子を見る為に艦内を徘徊していた。
〜メンフィル帝国軍・ヴァリアント・エリス少尉とアルティナ特尉の部屋〜
「……………………」
「…………どうしたんだ、アルティナ。あまり元気がないように見えるが。」
エリスとアルティナの部屋に入ったリィンは暗い表情を浮かべて”みっしぃ”のキーホルダーを見つめ続けているアルティナの様子が気になり、声をかけた。
「リィン少佐。体調面は到って良好ですが。」
「体調面はそうかもしれないけど、精神面はそうじゃないんじゃないか?」
「……………………」
リィンに指摘されたアルティナは何も答えられず黙り込み
「…………もしかして、ミリアムの事か?」
アルティナの様子の原因に察しがついたリィンは辛そうな表情で訊ねた。
「…………はい。内戦が終結してからあの人――――――ミリアムさんと実際に話したのはミリアムさんが一端トールズ士官学院に戻る前の1回だけでしたが…………それでもミリアムさんはしつこく自分がわたしの”姉”であると言い張って、”これから姉妹になるから、その記念のプレゼント”と言って、これをわたしに押し付けたんです。」
「…………そうか。そのキーホルダーのマスコットは確かクロスベルのマスコットキャラの”みっしぃ”だったよな?まさかミリアムは、トールズに来る前は”情報局”の関係でクロスベルにも行った事があるのか?」
アルティナの話を聞いて亡くなったミリアムの事を思い出したリィンは辛そうな表情を浮かべた後アルティナに確認した。
「いえ。去年に起こったD∴G教団の件を機に二度と開催されなくなった黒の競売会に参加したアランドール少佐がミリアムさんへのお土産として買ってきたものだそうです。」
「黒の競売会…………ロイド達が潜入したっていうクロスベル最大のマフィア――――――”ルバーチェ”が開催していた”黒い”方法で入手された出品物の競売会か…………(そんなにも前からレクター少佐がクロスベルで活動していたのは…………間違いなくオズボーン宰相が関係していたんだろうな。)」
アルティナの答えを聞いたリィンは静かな表情で呟いた後複雑そうな表情を浮かべた。
「…………わたしは今わたしの事が理解できないんです。あれ程ミリアムさんの事を鬱陶しく思っていたのに、ミリアムさんが死んでしまった事を知った時に胸に痛みを感じて、今こうしてミリアムさんが押し付けてきたキーホルダーを見るだけでも勝手にミリアムさんの事が思い浮かんで、また胸に痛みを感じるんです…………」
「アルティナ…………」
辛そうな表情を浮かべて片手で胸を抑えてキー
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