第43話
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…」
ミュゼの情報と問いかけを聞いたリィンは真剣な表情を浮かべ、アルフィンは複雑そうな表情を浮かべて推測を口にした。
「ええ。そして戦後、状況が落ち着けばバラッド大叔父様はユーディお姉様がヴァイスハイト陛下の側妃としてクロスベル皇家に嫁いだ事でクロスベル皇家という強力な後ろ盾を得たキュアさんと違って、後ろ盾が”他国の貴族”という強力ではありますが、後ろ盾としては弱冠不安定な私に狙いを定めて、私が若輩である事等と言った様々な”難癖”をつけて自分がカイエン公爵家当主として相応しい者であると名乗り上げて、私を次期カイエン公爵家当主の座から追い落そうとする事は目に見えていますわ。」
「ミルディーヌ…………」
「という事はその不安定な後ろ盾をより強固なものにする為に、縁戚関係でメンフィル・クロスベル連合の皇族がいるセレーネ達と婚約している俺を介して”メンフィル・クロスベル連合の皇族という強力な後ろ盾”を得て、バラッド侯爵を黙らせる為に俺との婚約をミュゼは望んでいるのか…………」
ミュゼの推測を聞いたアルフィンは辛そうな表情でミュゼを見つめ、ミュゼが自分と結ばれようとする理由を口にしたリィンは疲れた表情で溜息を吐いた。
「フフ、勿論リィン少佐の人柄についてはエリス先輩や姫様からも予め伺っておりますから、それらも当然考慮していますわ。」
「そうはいっても貴女の場合、結局は政略を目的とした結婚じゃない…………エリスの予想通り、貴女は自分の目的の為にリィンさんを利用しようとしているのね…………」
リィンに対して静かな笑みを浮かべて答えたミュゼにアルフィンは呆れた表情で指摘した後疲れた表情で溜息を吐いた。
「…………この際、ミュゼの目的の為に俺を利用しようとしている件等は置いてミュゼに聞きたいんだが…………――――――ミュゼは自分の目的の為に好きでもない男――――――ましてや、多くの女性達を侍らせている俺と将来結ばれるかもしれない事に”納得しているのか?”」
「ふふっ、”英雄色を好む”という諺もありますし、貴族に限らず、富や権力を持つ者が多くの女性を侍らせる事はおかしくないというのが貴族の家で生まれ育った私の感覚なのですから、リィン少佐が多くの女性達を侍らせている事については特に何も思う所はありませんわ。――――――むしろリィン少佐が侍らせている女性達の存在が私をエレボニア側のカイエン公爵家当主としての座を不動のものにするのですから、リィン少佐達には感謝する側の立場ですわよ?」
「そうか…………結婚云々についてはともかく、君のエレボニアを想う心、貴族の義務、そして自分の目的を俺達に打ち明けたその誠実さについては理解できたよ。」
微笑みを浮かべて答えたミュゼに対して静かな表情で答えたリィンはミュゼの頭を優しく撫で
「ぁ
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