第43話
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ベル連合がエレボニアよりも”上”になり、エレボニアはメンフィル・クロスベル連合の”属国”と化する可能性が非常に高いと思われますわ。そんな支配者側、もしくはエレボニアにとって”上”の存在であるメンフィル帝国の貴族であり、更に内戦の件で”灰色の騎士”としての名声があるリィンさんとミュゼが結ばれれば、民達もそうですが貴族達もメンフィル帝国と良好な縁を結び、更にはコネもあるミュゼをカイエン公爵家当主の座から追い落とす事は考えないと思いますわ。もしメンフィ帝国と親しいミュゼをカイエン公爵家当主の座から追い落そうとすれば、メンフィル帝国が介入してくる可能性は非常に高いと思われますもの。」
「それは……………………というか、それ以前に今の俺にそこまでの”価値”はないと思うんだが…………メンフィル帝国の貴族と言っても爵位は最下位の”男爵”だし、”灰色の騎士”の名声にしてもオズボーン宰相達が勝手につけた名声だしな。」
アルフィンの説明を聞いたリィンは複雑そうな表情で答えを濁した後すぐに戸惑いの表情を浮かべてミュゼに指摘した。
「例え偽りの名声であろうとも、”灰色の騎士”と呼ばれるようになったリィン少佐が姫様達と共に内戦で残した功績は”本物”ですわ。それに確かにシュバルツァー家は”男爵家”ではありますが、リィン少佐はシルヴァン皇帝陛下の側妃であられるセシリア将軍の教え子の上少佐の婚約者であられるメサイア皇女殿下とセレーネさんはそれぞれメンフィル、クロスベル皇家との縁がある上、エリゼさんはリフィア殿下の専属侍女長を務めている関係でリフィア殿下は当然として、シルヴァン陛下やリウイ陛下を始めとしたメンフィル皇家の方々の覚えがめでたい方なのですし、何よりも姫様――――――例え姫様が地位を捨てようとも”帝国の至宝”の名は未だ健在なのですから、姫様の”主”であるリィン少佐は敗戦後のエレボニアにとっては、国の存続、そして繁栄の為に是非とも縁を結びたい相手ですわよ?」
「た、確かに言われてみれば、今のシュバルツァー家はリィンさん達によってメンフィル・クロスベル連合の皇族の方々との縁ができているから、エレボニアに限らず各国の上流階級にとっても縁を結びたい相手ね…………」
ミュゼの指摘を聞いたアルフィンは冷や汗をかいてリィンに視線を向け
「エリゼはともかく、俺の場合はセレーネ達との婚約が関係しているから複雑だな…………第一内戦の件にしたって、俺一人の功績という訳ではないし、セシリア教官と常に連絡を取れるような伝手がある訳でもないんだが…………――――――というか何でミュゼはそこまでしてまで、エレボニア側のカイエン公爵家次期当主の座を守ろうとしているんだ?ミュゼにとって一番の政敵になりうる存在である前カイエン公のご息女達はクロスベル帝国に帰属する事になった上、二人はミュゼの後ろ盾に
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