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蒼と紅の雷霆
蒼紅:第二十九話 激流
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叫ぶ。

「あんた達の皇神の研究施設にいた時のことはパンテーラの嬢ちゃんが皇神から集めた情報で多少は分かってる。だからこそ兄弟としての絆が強いのも理解出来る…けど、今のあんたらは互いに足を引っ張ってるようにしか見えねえな」

ニムロドは水を操り、2人に猛攻を仕掛ける。

「あんたを想って、あんた自身も少なからず想っているパンテーラの嬢ちゃんに目を背けてまであんたは弟や今の居場所を守るのか?弟のあんたもそれに甘んじていて良いのか?」

「「………」」

『GV!お兄さん!』

『2人共、しっかりして!敵の言葉に惑わされちゃ駄目だ!』

『GV!ソウ!しっかりしなさい!!』

シアン達の声に2人はハッとなって反撃に転じる。

今の2人の動きは何時もと違ってぎこちないが、それでも2対1と言うこともあり、相性不利も覆してニムロドにダメージを蓄積させていく。

「チッ…やっぱ2対1はキツイぜ…切り札を使わせてもらうとするか!!水面が映す我が写し身!全を飲み込む大いなる潮流!地上の穢れを清め流す!!アクアアバタール!!」

宝剣と謡精の力によって強化されたニムロドのSPスキルが2人を襲う。

ハープを奏でて幾つもの水流を作るとそれに飛び込んだニムロドは水の分身をGV達にけしかける。

「……!」

「避けきれ…」

水の分身がニムロドの技を使ってくるだけならさして問題はない。

しかし謡精と宝剣の強化によるものなのか、複数からの攻撃。

最初は回避出来ていたが、分身の数と攻撃が増していき終いには回避もままならずに攻撃を受け続けることになる。

「そっちが2人がかりなんだ。こっちも複数で攻めても構わねえだろ?」

分身の攻撃で吹き飛ばされていた2人に最後の一撃…本体の水飛沫を上げながらの突進が炸裂した。

「ぐっ!!迸れ、紅き雷霆よ!閃くは破滅の雷光!紅雷の刃よ、敵を斬り裂け!!ギガヴォルトセイバー!!」

ダメージに構わずに出現したニムロドに雷刃波を直撃させるが、ニムロドを倒すには後一歩だ。

「アンリミテッドヴォルト!!吼雷降!霆龍玉!!」

残り僅かな力を使ってアンリミテッドヴォルトを使い、ノーマルスキルの吼雷降と霆龍玉でニムロドに追撃を与えた。

「ぐおっ!?へへ、潮騒が聞こえるぜ……覚えとけよ…今のあんたらじゃ…大事な物は守れねえ…絶対にな…」

それだけ言うとニムロドは消滅し、ミラーピースが落ちる。

「………」

「その、兄さん…」

「…分からないんだ」

「え?」

弱りきった兄の声にGVは目を見開いた。

何時も背筋を伸ばして迷うことなく前を進んでいた兄の初めて見た弱々しい姿にGVは驚く。

「テーラのことは大事だとは思ってい
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