蒼紅:第二十九話 激流
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「兄さん、そんなこと言っている場合じゃないだろう?自然が大切なのは理解する。だけど、人々を排さずとも、他に道はあるだろう!」
「小せぇ…小せぇぜ、ガンヴォルト。あんたそれでも元テロリストで悪魔とか言われている奴の弟か?手段にこだわる小さな男じゃ大海原は守れねぇさ!」
「止めろGV、この男は何を言われても止まらない」
「兄さん…」
「奴の目を見ろ。奴は確固たる信念を持っている。どれだけお前の目から見て歪んでいようと信念を貫こうとする男にこれ以上の言葉など不要だ。俺達は俺達の信念を貫いて奴を叩きのめす。それだけだ」
銃を構えて雷撃刃でニムロドに斬り掛かるソウに対してニムロドも槍を巧みに扱い、ソウの斬?を捌いていく。
「俺はあんたの信念とやらに興味があるな。あんたは何のために戦うんだ?皇神への復讐か?」
「それもあるが、俺が戦うのは居場所と大切な物を守るためだ。」
「それだけか?小せぇ信念だな」
「信念は人それぞれだ。小さいも何もない」
「ま、そりゃそうだ。だが、パンテーラの嬢ちゃんはあんたの大切な物に入ってねぇのか?」
「っ!」
ニムロドがソウの信念に呆れるが、ソウの言葉に一理あると思ったが、脳裏にパンテーラの姿が過ぎったので尋ねてみると、ソウの表情に一瞬だけ動揺が走った。
「隙あり!」
「ぐあっ!?」
「兄さん!?」
「あんたにはこいつだ!」
動揺しているソウを弾き飛ばすとニムロドはハープを奏でて、GVに特殊な電解液を超高水圧で発射するハイドロザッパーを当てる。
「ぐっ!」
カゲロウが無効化され、その上強制オーバーヒートさせられたGVは膝をついた。
「予想以上に反応があったな。そこまでパンテーラの嬢ちゃんのことを気にしていながら何で傍にいてやらねえ?エデンの理想に対してあんたは否定的じゃねえだろうに」
「…俺は…」
答えようとしても言葉が出てこない。
そんなソウに構わずニムロドは次の行動に移る。
「言い訳して自分の気持ちに目を背けてる奴に信念ってのは貫けねえさ!!」
水流が発生し、まずはGVを巻き上げていく。
そしてハープをブーメランのように投擲し、オーバーヒートでカゲロウが発動しないGVを両断しようとするが、ソウがチャージセイバーで弾く。
「大丈夫かGV?」
「ありがとう兄さん……兄さんだってテーラのことを気にしていない訳じゃない!今でも彼女のことを気にして…」
「その兄貴がパンテーラの嬢ちゃんへの自分の気持ちを押し殺してまで戦ってるのはあんたが足枷になってるからじゃねえのか?」
「あ…」
『GV、ソウ!そいつの言葉に耳を傾けないで!』
シャオが咄嗟にGVとソウに
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