蒼紅:第二十九話 激流
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地下水道の最下層に到達した2人は一気に駆け抜ける。
「兄貴やべぇぜ!このままじゃ全滅しちまう!一体どうすりゃ!」
「そう慌てんじゃねえ。何があっても心は凪(なぎ)のように穏やかに…何時もそう言ってんだろ?なに、俺に任せときな」
「ゲートモノリス発見、先に進むぞ」
「了解」
2人がゲートモノリスを破壊し、奥に進むとそこには長身の青年が佇んでいた。
「ミラーピース欲しさにホイホイここまで来なすったか。だがな…こいつは俺の夢の実現に必要な力だ。返せと言われても返せねえよ」
「G7の能力者か…ミラーピースはシアンとモルフォの力だ。力ずくでも奪い返す!」
「電子の謡精のためねぇ?小せぇ…あんたの戦う理由は海に比べたら小さすぎるぜ」
「海だと?」
ソウが青年の言葉に疑問を抱くが、青年は宝剣を取り出すと変身現象を起こし、謡精の力を何時でも発動出来る状態にしておく。
「俺はニムロド。戦う理由はただ1つ、美しい海を守ること…だ。邪魔する奴は、俺の“リキッド”の第七波動で洗い流してやるぜ」
戦いが始まる。
ニムロドは槍を床に突き刺し、水の刃を2人の真下に出現させる。
「海を守る?エデンは環境保護団体でもあるのか?」
「元々俺はエデンじゃなく、環境保護団体に所属していたのさ。だが、団体の抗議活動は手緩くてな。大手を振ってテロ活動を行う為にエデンに加入したんだよ」
「…海を守ることが能力者の未来を守ることに繋がるのか?」
「俺とパンテーラの嬢ちゃんの夢は完全には合致していないが、共通してる部分もある。陸(おか)の汚れを減らすってとこがな」
ニムロドの言葉にGVが表情を顰める。
「汚れ…?第七波動を持たない人々のことをそんな風に…!」
「海は広大だが、無限じゃねぇ…それを分かっていない馬鹿が、陸には多すぎる。だからまず無能力者を排除して、陸の人間を減らすのさ。お前さんも見ただろう?この地下に流れる大量の汚水を。この汚れを垂れ流す人間が減れば、それだけ海の美しさは保たれる。嬢ちゃんの言う“能力者だけの世界”ってのが出来上がれば 俺の海洋環境保全計画も進めやすくなるっつーわけだ」
「…確かに人口の大半である無能力者を根絶すれば環境悪化は遅らせることは出来そうだが、根本的な解決にはならんと思うがな……」
「その解決に役立つのが俺達の第七波動だ。第七波動には自然の力を操れる奴もいる。草花を育てる能力や俺のように水を操れる能力、テンジアンのような凍らせる能力、そしてあんたらの雷撃の能力もな」
「……つまりそういうことか。俺達の第七波動を利用したエコロジーな世界と言う訳か……テンジアンの氷の能力はともかく俺達の能力が環境保全に役立つのかかなり疑問だが…」
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